浦浜アリサが注目のアートプロデュース集団「WATOWA GALLERY」を紐解く

特定の場所を持たず活動してきた「WATOWA GALLERY」だが、22年9月、浅草・今戸に満を持してギャラリースペースをオープン。このエリアはクリエイティブな活動をする人たちが近年多く集まってくるエリアだ。ますますアートギャラリーが勢いを増すであろう今後、このチームだからこそ目指したいことを聞いてみた。

「僕はファッションの畑からアートの世界へ来た人間なので、良くも悪くもアウトサイダーだと思います。だからこそ見える僕なりの世界観や、よりよくしていきたいと感じる部分があり、プロジェクトをたくさん打ち出していきたくて始めたのが、この『WATOWA GALLERY』というチーム。日本のアートコミュニティで、僕の同世代40代前後の人たちと、集団的になにかムーブメントを作りたいという思いが軸にあり、そのひとつとして『WATOWA ART AWARD』を開催しています。

いま国内でもいろいろなアートアワードが生まれていますが、ほとんどがミュージアムの館長や有名なキュレーターが、大体3人ないし5人ぐらいで審査している。

僕のアワードの場合は、アートギャラリストやキュレーターはもちろん、批評家、デザイナーからコレクター、起業家に至るまで、幅広いジャンルの審査員10人以上で決めています。アートの権威だけではなく、アートを構築するいろいろなポジションの人がここで議論することが大切であり、意見交換や交流をすることで生まれる、新しいアートの在り方を発見できたらいいなと思っています。アウトサイダーとはいえ、本流を知らずに好き勝手に意見しても説得力がないので、僕は今も独学で勉強中です。

そしてアートギャラリーをやる以上、日本の面白いアーティストを見つけるのも大事。でもまずは、間口を広げて自由に語り合えるコミュニティを作ること。小川が大きな川に繋がり、最後には海になる……そんなアートムーブメントを起こすために、今後も精力的にチャレンジしていきたいと思っています」

展覧会「Diffusion of Nature 2023 ⼟と夢」

プロフィール
小松隆宏（CREATIVE PRODUCER ／ SHOW DIRECTOR）
1981年、大阪生まれ。
2000年、京都芸術大学短期大学(現 京都造形芸術大学)卒業。
2001年、ファッションショー演出家の田村孝司に師事(現DRUMCANinc.代表)。
2011年、「WATOWA inc.」設立する。”ファッション””アート””自然”の領域を横断し、”今”を捉え、”輪”と”輪”をつなぐ”コト”（現象、PR、イベント）など、クリエイティブコミュニケーションを演出・制作するクリエイティブ・プロダクション「WATOWA inc.」の代表を務める。 また、アートプロジェクト・プロデュース集団「WATOWA GALLERY 」や、ギャラリーとインキュベーション「WATOWA GALLERY / THE BOX TOKYO 」（浅草）、オルタナティブスペース「 elephant STUDIO 」の創設とプロデュースも手掛ける。さらに、 “生き方を耕す”サスティナビリティキャンプ「 LIFE FARMING CAMP in 野沢温泉 」のプロデュースや、観光庁・文化庁の地方創生・観光事業のコーチングなど、地方のポテンシャルを活かす観光事業などのコンサル・PR・プロデュースも2019年からスタート。
現在、世界を農でおもしろくする「農ライファーズ」社外取締役 、東京のランドマークプロジェクト「KISS TOKYO」主要メンバーも務めるなど活動は多岐にわたる。

photos: Ryusei Imai、interview & text: Alisa Urahama、edit: Miyuki Kikuchi

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