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映画『僕らの世界が交わるまで』で監督デビューした、ジェシー・アイゼンバーグにインタビュー

細部までこだわる映画作り。
来年は監督2作目の映画も公開予定

僕らの世界が交わるまで
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━━監督と俳優、そして脚本作りの経験も経て、それぞれの難しいところや魅力的なところは?

脚本は僕が好きで書いているので、いくらでも時間がかけられる。でも、現場に行くと全ての判断に膨大なお金がかかってくるんだ。例えば図書館で脚本を書いていて「ここでゾウが空を飛んで窓が割れる」と書くのは簡単だけど、実際それを形にしようとすると何百万ドルとかかってしまう。現場にあるものは全て理由があって必要なもの。キャラクター、小道具、なんでもないように見えるものもすべて。監督をするってサーカスをしてるみたいな気がした。いろんな人がいて、いろんなことをする。でも時間が限られていて、みんな同じ目標に向かっている。1分間違えると何万ドルというお金を失う。だから脚本を書くのと、監督というのは全く別の活動だと思った。僕は今、他の映画を撮っていて、編集作業中なのだけど、それには自分も出演している。自分が今までやってきた現場の経験をもっと誇張したようなものが監督なんじゃないかな。

━━本作の音楽の演出や美術へのこだわりは?

エヴリンとジギーが住んでいる家は温かみがあって、きちんと整理整頓されている。エヴリンの性格を反映しているんだ。ジギーの部屋だけは別で、騒々しいアートがあったりする。ジギーの音楽はおもちゃみたいな音でイライラする。その音が母親の世界に侵入していくんだ。リベラルなのにクラシックを聴く母親に対して息子が責めるシーンもあって、いい暮らしをしながらもソーシャルワークもしているという状況にいかに折り合いをつけるかを音楽で突いているわけなんだ。

僕らの世界が交わるまで
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━━ファッションについてこだわった部分は?

僕たちはジギーのファッションを作るのがとても楽しかった。ジギーの音楽プロモーションのためにオリジナルのロゴ入りの色んなものをすごくたくさん作ってしまった。その中からどれを使うか、すごく迷ったよ。彼は学校でもそれを着て自分をアピールするけど、母のエヴリンは真逆で、アースカラーで目立たないファッションをしている。ジギーは冷たい色、エヴリンは温かみがある色を意識して、母と息子で真逆ということを衣装を通じて表現しているんだ。

━━これからも映画を作る予定は?

次の作品も来年公開予定。今編集中なんだけど、最初からやり直したいと思ったりする(笑)。僕は音楽もかくので、今はミュージカルを作っているよ。映画を作る上での唯一の障害は、周りの人がやらせてくれないということだと思うけど、僕の場合は10人に脚本を見せて拒絶されても、1人がYESと言ってくれれば次の映画が作れる。本作と次の新作は2作ともエマ・ストーンと夫のデイヴがプロデュースしてくれてすごくラッキーだよ!

俳優だけでなく、脚本から監督まで果敢にチャレンジし続けるジェシー。次回の監督作では自身も出演し、さらにオールマイティな才能を披露してくれるそうだ。様々な角度から映画作りに向き合う彼の今後の活躍から目が離せない。

interview&text: DIZ

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関連情報
  • 『僕らの世界が交わるまで』
    公開日:2024年1月19日(金)
    監督・脚本:ジェシー・アイゼンバーグ
    製作:エマ・ストーン、デイヴ・マッカリー、アリ・ハーティング
    出演:ジュリアン・ムーア、フィン・ウォルフハード 他
    配給:カルチュア・パブリッシャーズ
    公式サイト:https://www.culture-pub.jp/bokuranosekai/

Profile

ジェシー・アイゼンバーグ

1983年、アメリカ・ニューヨーク出身。高校時代から演劇を始め、一躍有名になったきっかけはデヴィッド・フィンチャー監督の映画『ソーシャル・ネットワーク』(2011)。アカデミー賞はじめ多くの賞にノミネートされ、話題となった。映画『ゾンビランド』(2010)、『グランド・イリュージョン』(2013)、『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016年)などで俳優としてのキャリアを積む。現在は脚本の執筆や映画監督も手がけ、マルチに活躍している。

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