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河村真木子のリアル人生相談 第8回:投資の前に基礎知識を、キャリア復帰は堂々と

元外資系バリキャリ金融女子、会員数1万人を超える業界トップ規模のオンラインサロンを運営する河村真木子さんが、リアルなお悩みに本音で答えていく「河村真木子のリアル人生相談」。最終回となる今回は、マリ・クレールのインスタグラムで「2023年であなたをもっとも悩ませたお悩み」を募集した。寄せられたお悩みの中から、「お金の知識と女性のキャリア復帰」についてお届けする。

悩み相談⑮:お金の知識を深めたい

――アラフィフ、シングル、個人事業主です。今後の人生設計のため、保険とiDeCoを始めました。他に絶対したほうがいい投資や資産運用はありますか? 知識を深めたいのですがセミナーはたくさんありすぎて、どれを選べばいいかわかりません。

河村真木子, 人生相談8-3

2024年からスタートする予定の新NISAは、年間投資上限額や非課税限度額が増額され、非課税期間が無期限なので始めていいのではないでしょうか。

私は常日頃から「貯金だけするのはリスクなので、それは運用しましょう」と言っているんですね。資産運用は危険だと思ってる方が多いのですが、円の評価が低下している今、気づかないうちに私たちは経済的に苦しくなっている可能性があるからです。貯金さえしておけば安泰という時代ではないので、お金について学んで、資産運用ができるような土台を作っていくのは大切だと思います。

そのためには、経済や金融の基礎知識をもっておかないといけません。今の円安もそうですが、世の中にはさまざまな投資先が存在し、外国為替市場や債券、株、投資信託など、たくさんの選択肢があり、この中から自分で選ばなければいけないとなったときには、やはり金融経済の基礎知識は不可欠です。

――つい気持ちが先走ってしまいますが、投資や資産運用をする前に、まずは金融経済について学ぶことが大切なんですね。

基礎知識は無理やりにでもたたき込んでほしいところですね。学校や人生において勉強してこなかったから知らないだけで、勉強さえすれば誰にでもわかることなので。

何もわからないままNISAやiDeCoを始めても、「何これ?」となってしまうと思うんです。それから、世の中の動きをウォッチしながら、アメリカの株やヨーロッパの株を組み替えたりすることもありますが、わからなかったらほったらかしにしてしまいますよね。そして気がついたときには、損をしていたなんてことも。知識がないから「危険だ」と思ったり、だまされたりしてしまうのです。

――金融経済の勉強はどのようにすればいいのでしょうか?

本を読むこともそうですが、私は海外の経済や金融関係のニュースを読めるようになることを皆さんにおすすめしています。私のオンラインサロンでは、まさにそれをしているんです。Bloombergやウォール・ストリート・ジャーナルなど、金融業界の人ならみんな読んでいるニュースを読めるようになってほしくて。

ニュースから世の中の動きを見て、相場がどこに行くか、これからどんなことに気をつけていればいいか、経済や景気ってこうなっているんだというのがわかってくれば、次の一手が自分で考えられるようになるのです。

――金融ニュースに出てくる単語が難しく、言葉を理解するまで時間がかかってしまいそうです……。

私自身は20代で散々勉強しましたが、新聞やニュースを読んで、本当に金融のことがわかるようになったなと思えるまで5年くらいはかかりました。

なぜ皆さんが難しいと感じるかというと、ニュースも本もすごく難しく書いてあるんですよ。業界に20年いましたが、1ページ目を読んだだけで嫌になってしまうものばかり。それだと多くの人が「金融はわからない」という印象をもってしまいます。だから、本屋でパラパラッとページをめくって「わからなそうだな」という本はやめて、簡単なものから読むといいですよ。

私のオンラインサロンでは、毎日金融経済のニュースをピックアップして、それを誰が読んでもわかるように私が通訳して書いています。利下げが、利上げが、FRBがFOMCで……と知らない言葉が次々に出てくるともう読めなくなってしまいますからね。例えばそうやってひとつひとつかみ砕いて説明して、金融の知識がなくても読めるように通訳しているものを見つけて勉強するのもいいと思います。

――無料や特典がつくようなセミナーは警戒したほうがいいでしょうか?

その後、わけのわからない商品誘導されるものや、無料のものは警戒してもいいかもしれません。特に金融関連について日本人はだまされやすいので。

アメリカでは子供のころから金融や投資の話が身近で、親からも聞かされていて、一般常識として株や債権についても知っているんですが、日本はお金について話すこと自体がNGだった時代が長すぎて、誰からも教えられることのない環境だったので、余計にだまされやすいのだと思います。お金の勉強は、日本でも中学生ぐらいから学校の科目にあってもいいなと思いますね。

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Profile

河村真木子(かわむら・まきこ)

1976年、奈良県生まれ。高校3年生の春にロサンゼルスの高校へ転入を決意。帰国後、関西学院大学に入学するも自主退学し、UCバークレー校に進学。卒業後は米系投資銀行に就職。2度の転職を経て、2021年8月にオンラインサロン「Holland Village Private Salon」の運営者となる。2022年10月には初の書籍『超フレキシブル人生論“当たり前”を手放せば人生はもっと豊かになる』を出版するなど多岐にわたり活躍。

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