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【心を潤すステージ・ライフ】vol.2 実力派俳優の活躍が光る12〜1月の注目舞台作品3選!

複雑な家族の物語を描く『夏の砂の上』

1998年に初演された『夏の砂の上』。劇作家・演出家の松田正隆が生まれ育った長崎を舞台に描いたもので、1999年には読売文学賞戯曲・シナリオ賞を受賞した作品だ。職をなくし妻に家出された主人公と、彼を取り巻く人物たちの間で交わされる会話から、一見淡々とした日々にただようあらがいようのない悲哀や心の乾きがにじみだす名作である。

今回演出を手掛けるのは、日本を代表する演出家である栗山民也。『CHIMERICA チャイメリカ』以来、栗山と3年ぶりのタッグを組む田中圭が主人公の小浦治を演じる。夫を捨てて家を出ていく妻・恵子を演じるのは、舞台や映像作品で唯一無二の存在感を発揮する西田尚美。16歳になる治の姪・優子として、今回舞台初出演となる山田杏奈が挑む。

登場人物の心情の揺れが幾重にも積み重なる世界を丁寧に描き出した本作品。東京公演を見逃した人は、宮崎、愛知、長野のツアーでぜひ楽しんで。

『夏の砂の上』撮影:若木信吾

『夏の砂の上』

【宮崎公演】12月3日(土)、 4日(日) メディキット県民文化センター(宮崎県立芸術劇場) 演劇ホール
【愛知公演】12月10日(土)、11日(日) 刈谷市総合文化センター 大ホール
【長野公演】12月16日(金)、17日(土) まつもと市民芸術館 主ホール

作:松田正隆
演出:栗山民也
出演:田中圭、西田尚美、山田杏奈、尾上寛之、松岡依都美、粕谷吉洋、深谷美歩、三村和敬

text: Akiko Yoshida

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