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竹内涼真主演『六本木クラス』と見比べるのも楽しい! 本家『梨泰院クラス』は最高のエンタメドラマ

Netflixシリーズ「梨泰院クラス」独占配信中

2020年春にNetflixで配信されるや大ヒットを記録し、いまだに試聴ランキング上位の座をキープし続けているドラマ『梨泰院クラス』。この超人気作が『六本木クラス』というタイトルで7月7日からテレビ朝日系で放送される。ドラマは、舞台を日本に置き換えて翻案されたコミック『六本木クラス~信念を貫いた一発逆転物語』を原作とし、日韓共同プロジェクトでリメイクされるということで、注目を集めている。そこで、未見の人はもちろん、既に観た人も、ジャパン・オリジナル版をより楽しむために、今あらためて“本家”をチェックしたい。

巨象に戦いを挑む主人公パク・セロイ

パク・セロイ(パク・ソジュン)は、警察官になることを夢見る高校3年生。大手飲食企業「長家」に勤める父(ソン・ヒョンジュ)が転勤することになり転校するが、学校は金と権力を振りかざす長家のチャン・デヒ会長(ユ・ジェミン)に牛耳られていた。

警察官になる夢に向かって順風満帆だったパク・セロイ(パク・ソジュン)だが、転校先でその進路に暗雲がたちこめる

転校初日、セロイは会長の長男チャン・グンウォン(アン・ボヒョン)がクラスメイトをいじめているのを目にし、諌めても聞かないグンウォンを殴ってしまう。この件がきっかけで、セロイは高校を退学し、父も長家を退職する。

屋台からスタートした「長家」を一代で国内最大の飲食チェ―ンへと育て上げたチャン・デヒ(ユ・ジェミン)。自社を守るためなら手段は選ばない

高卒認定試験の勉強をしながら、父親が再出発を目指して開く飲食店の準備を手伝うセロイを、再び不幸が襲う。父親が交通事故で亡くなったのだ。加害者とされる男は替え玉で、真犯人はグンウォンだった。

激昂したセロイはグンウォンを襲い、殺人未遂で実刑判決を受ける。刑務所の中で復讐を誓ったセロイは、出所後7年かけて資金を調達してソウル随一の繁華街・梨泰院に居酒屋を開く。ここからセロイが仲間とともに巨大企業「長家」に戦いを挑んでいく姿が描かれる。

「長家」の名前を出せばすべて思い通りになるという思考回路の長男チャン・グンウォン(アン・ボヒョン)

そんなハードなストーリーを軸に展開するので視聴者を限定しそうなのに、多くの女性ファンの心も掴んで大ヒットしたのは、魅力的な女性キャストによるところが大きい。

SNSのインフルエンサーでありIQ162の天才少女、そしてソシオパスの一面も持つチョ・イソ(キム・ダミ)。セロイの初恋の人であり、児童養護施設にいた頃はセロイの父に恩を受けたものの、その後チャン会長の支援で大学に入り、卒業後は長家の社員として存在感を示すようになるオ・スア(クォン・ナラ)。

セロイが開いた居酒屋の料理長で、トランスジェンダーであることを隠して生きるマ・ヒョニ(イ・ジュヨン)。長家の大株主で、会社のためにある企みを実行する機会を窺うカン・ミョンジョン専務(キム・ヘウン)など。彼女たちが試練に立ち向かい、成長していく物語も本作の見どころである。

さらに、セロイをめぐるイソとスアの三角関係の行方にも目が離せない。とにかくいろんなタイプのドラマの面白さがギュッと詰まった最高のエンタテインメント・ドラマなのである。

自由奔放なチョ・イソ(キム・ダミ 写真後ろ)に恋心を抱くチャン会長の愛人の息子チャン・グンス(キム・ドンヒ 写真前)。一途な思いはやがて歪んだ感情に変わりセロイへと向けられる

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セロイを演じたパク・ソジュンは『彼女はキレイだった』(15年)や『キム秘書はいったい、なぜ?』(18年)といったラブコメドラマを得意とするイメージがあったが、本作で新たな一面を示した。『六本木クラス』で、このセロイにあたる主役・宮部新を演じるのは竹内涼真。セロイに寄せた髪型を披露して話題になっている。

セロイの初恋の人であるオ・スアは、父を死に追いやったチャン・デヒのもとで働いている。切ない現実が二人の運命も変えていく

発表当初、ネットを賑わせたのは竹内以外のキャスト予想。特に、イソに扮したキム・ダミは、映画『The Witch 魔女』(18年)で新人賞を総なめし、最近はテレビドラマ『その年、私たちは』(21年)が評判の演技派で、まさにハマり役だっただけに、日本版では誰が演じるのか注目されていた。

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そしていよいよドラマが放送される。イソに当たる麻宮葵は平手友梨奈、オ・スアに当たる楠木優香は新木優子、チャン・デヒに当たる長屋茂を香川照之と、次々と発表されたキャストたちがどう挑むのか、期待は高まる。『六本木クラス』もテレビ放映後はNetflixで配信されるという。配信版で2作を比較するのも一興だ。

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香月友里

かづき ゆり。フリーライター。出版社の編集者を経てライターに。同居する5匹の犬猫たちにお仕えしながら、映画とドラマと演劇とJ-POPにどっぷり浸る日々を送る

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