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韓国ドラマの名作はタイトルだけではわからない

悪霊狩猟団:カウンターズ

特殊能力を得た少年の戦いと成長。彼を取り巻く仲間との友情・努力・勝利の物語

現在、Netflixでシーズン2が独占配信中の「悪霊狩猟団:カウンターズ」をご存じだろうか? 日頃から韓国ドラマを視聴する方でも、タイトルは聞いたことがあるが、未視聴の方も多いのでは? 原題は「경이로운 소문」と書き、直訳すると「驚異的なソムン」となる。
「ソ・ムン」は主人公の名前だが、このままのタイトルでは物語の概要が伝わりづらい。

物語はチョ・ビョンギュ演じるソ・ムンが不幸な事故により両親を亡くした後、ひょんなことから特殊能力を手に入れ、その力を悪霊退治のために鍛え、戦っていく成長を軸に展開する。悪霊退治の能力者は自らを「カウンター」と名乗っている。ユ・ジュンサン演じるカ・モタク、キム・セジョン演じるト・ハナ、ヨム・ヘラン演じるチュ・メオクらも、それぞれ特別な能力を持つ。彼らはソ・ムン同様に、「窿(ユン)」という天界から、瀕死の状態からよみがえることと引き換えに能力を得て、仲間たちと悪霊を狩る日々を過ごしている。
本作の面白さは不幸な境遇から能力を得ることで、悪霊と戦うことになった少年の戸惑いと成長、仲間とのコミカルなやり取り、そしてそれぞれの能力を活かして信頼を元に戦うアクションにある。年齢や性別も超えた能力者同士の正義感溢れる悪霊退治の活劇は、悪役の個性的なキャラクターにも支えられ、シーズン2も期待を裏切らない面白さだ。

一見、スリラーもののように思えたり、「カウンターズ」という語感からコメディのようにも受け取れるタイトルだが、タイトルからは想像が難しい、仲間との信頼(友情)、悪霊と戦うための鍛錬(努力)、危機に瀕しながらも悪に屈しない心で戦いを挑む姿(勝利)の3要素が詰まったアクションコメディヒューマンドラマだ。

ソ・ムンのカウンターとしての成長が主軸となって物語が進むシーズン1は、面白さはもちろんのこと、最終話では思わず涙するような感動の場面も。人間の心に潜む邪悪さや怒りを糧に、さらにパワーアップした悪役の非道ぶりが見逃せないシーズン2も、続きの視聴が待ち遠しくなるワクワク感は前シーズンから変わらず健在だ。

韓国ドラマの日本語タイトルは、原題の意味や物語を踏まえて吟味され、工夫して作られている。それでも、タイトルを読むだけで見逃してしまっている作品が多数あるのではないだろうか? 原題や日本語タイトルに込められた制作、配給陣のメッセージを察知して、面白い作品をこれからも視聴してみてほしい。

text: Ryoko Morita

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