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「メグミオギタギャラリー」がカリム・B・ハミドの日本初個展を開催中

東京・銀座にあるアートギャラリー「メグミオギタギャラリー」が、具象画家であるカリム・B・ハミドの日本初個展「Upon The End of Play and Infancy」を、2023年6月10日(土)まで開催中。新作11点を展示している。

アメリカ生まれ、イギリスにルーツを持つカリム・B・ハミドは、フランシス・ベーコンやルシアン・フロイドを彷彿とさせる、伝統と革新を融合させた正統派の具象画家だ。

1966年、カリフォルニア州ロサンゼルスに生まれ、イギリスのロイヤル・アカデミー・オブ・アーツに学び、その後、1994年にサンフランシスコ芸術大学で修士号を取得。現在は、コロラド州を拠点に活動している。これまで、欧米を中心に個展やグループ展を数多く開催し、作品は世界中のコレクターに収蔵されている。

Bachelorette 18 (Transformation), 2023, 100.2 × 76 cm, mixed media, oil and acrylic paint on wood panel、ハミドによるコメント「私はヨーロッパ美術史に残る宗教画の象徴的な性質に興味を持ち、現代文化の視覚的な要素を用いて、新鮮な解釈を提供したいと願っています。これらの象徴はいかにして調和し、また衝突するのかに関心があります」

ハミドは、古典的な美術史から現代の大衆文化に至るまで、女性の身体が常に理想化され、消費されてきた点を主題とし、歪められ、誇張された女性像を描くことで、男性の視線が何を意味するのかに焦点を当てている。それは見ているものだけでなく、どう見るかという芸術に関する彼の考察である。

fa.fn71 (Visitation), 2023, 28.2 × 23.1 cm, image size 25.3 x 20.3 cm, mixed media, oil and acrylic paint on wood panel (with frame)、ハミドによるコメント「私はヨーロッパの古典絵画に描かれているものと、現代文化の要素を混ぜることが好きです。この作品では、ある現実から別の種類の現実への変容というアイデアを再び使っています」
fa.fn66 (Visitation), 2023, 122 × 122 cm, mixed media, oil and acrylic paint on wood panel、ハミドによるコメント「私は人生における変化の瞬間、『トランスフォーメーション』に興味があります。本作では、ある人生から別の種類の人生へ移行するという考えを視覚化したいと思いました」

作品はかつての世界に存在した親密さやロマンチシズム、人間的要素を詩的に解釈したものであり、それをことさら強調するため、彼は画材の流動性を利用している。また、分解と構築、描画と消去の繰り返しという一見非効率的な制作工程は、慌ただしい現代において希薄な「間」の感覚を作品にもたらし、そこに解釈の余地を与えている。

彼の作品は、観察される人物や物事の要素を、通常の条件付けられた目には映らない深度で描き出している。

text: Tomoe Tamura

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関連情報
  • 「Upon The End of Play and Infancy」
    期間:2023年6月10日(土)まで
    場所:メグミオギタギャラリー
    住所:東京都中央区銀座2-16-12 地下1階
    開廊時間:12:00〜18:00 ※日・月・祝 休廊
    https://www.megumiogita.com/

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