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鈴鹿央士が映画『ロストケア』で見つめた、超高齢化社会の日本と介護問題

──鈴鹿さん演じる椎名は数学が好きでしたが、ご自身と似てると思うところは?

僕は数学は苦手なんですけど(笑)、英語に関しては椎名気質だったかもしれないですね。勉強を勉強と思ってないというか、自分が楽しいからやっているという感覚でした。椎名くんもきっとそうだと思うんです。

──数学が得意な役に見えるように工夫したことはありますか?

“数字を見ると楽しくなっちゃう”ところは意識するようにしました。数字を書くシーンは楽しみながら、ちょっと早めに書きましたね。ホワイトボードに書いた数字が小さいと言われて、もっと大きく書いてみたのですがスクリーンで見ると意外と小さくて。そういうサイズ感はやはり経験を積まないといけないな、と思いましたね。

問題というより、事実として向き合っていかなくてはいけないこと。

──検察事務官の役を演じるにあたって事前にリサーチはされましたか?

検察の方の資料をいただいて、それを見たりしました。介護殺人に関しては、実際に自分の親を殺してしまった人のインタビューなど映像の資料も頂いたので、実際に起きている出来事として日本の現状を考えさせられました。

©2023「ロストケア」製作委員会

──『ロストケア』を通して、同世代の人に伝えたいことがありますか?

やはり、ひとつの考えるきっかけとなってほしいと思います。僕自身、もしも親に介護が必要になったらどうしようと考えましたし。「精神的にキツくなったら何を頼ればいいのだろう」など、一度でも考えを巡らせるだけで変わってくると思うので。まだ自分には関係ないと思わずに、ぜひ一度向き合ってほしいなと思います。

──今回、柄本明さんなど数々の大先輩方も出演されていますが、印象に残っている方はいますか?

綾戸智恵さんですね。撮影の前は長澤さんととても楽しそうにおしゃべりされたりしていたのですが、いざ撮影が始まると、体の揺れ方や体を掻く仕草など、別人になっていて。「これは今、すごいお芝居を見ているな」と思いましたね。

──作品の中で鈴鹿さんご自身が最も考えさせられたテーマとは?

やっぱり「社会の穴」に落ちたらどうなるのかっていうのが描かれている作品なので、僕自身も考えさせられました。守っているようで守られていないもの、社会が見捨ててしまう人たちもいるということを、問題というよりは事実として受け止めて考えていかないといけないと考えさせられました。

映画『ロストケア』
監督:前田 哲 
主題歌:森山直太朗「さもありなん」(ユニバーサル ミュージック)
出演:松山ケンイチ 長澤まさみ
鈴鹿央士 坂井真紀 戸田菜穂 峯村リエ 加藤菜津 やす(ずん) 岩谷健司 井上 肇
綾戸智恵 梶原 善 藤田弓子 / 柄本 明
3 月 24 日(金) 全国ロードショー
公式サイト:lost-care.com
©2023「ロストケア」製作委員会 配給:東京テアトル 日活

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  • HEMT PR:03-6721-0882

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