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【星のやを唎く】沖縄の原風景が残る「星のや竹富島」。離島の集落で、暮らすように滞在する

「竹富島景観形成マニュアル」を忠実に守り、集落のような景観を見せる「星のや竹富島」

琉球赤瓦の家並み、手積みの石垣、そして白砂が敷かれた小径……。そんな沖縄の原風景が色濃く残る「星のや竹富島」。島の自然や伝統に寄り添うことで、「圧倒的な非日常」を提供する。近年は、2人の思いを刻むウェディングスポットとしても注目を集める。

羽田の東京国際空港から琉球弧の南端に位置する南ぬ島石垣空港まで直行便で3時間近く。空港から車で約30分かけて石垣港離島ターミナルへ。さらにそこからフェリーに乗って約10分。珊瑚礁が隆起してできた周囲約9.2キロの竹富島に降り立った瞬間、日常から優しく切り離され、ゆったりとした時間が流れていることを感じるだろう。

コンセプトは「ウツグミの島に楽土」

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人口約350人、島全体が西表石垣国立公園に属し、中心部の集落は国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている。10年前の6月、そんな特別な場所に「星のや竹富島」は開業した。施設のコンセプトは「ウツグミの島に楽土」。「ウツグミ」とは現地の言葉で「一致協力」を意味し、島の自然と伝統文化に寄り添うことをとりわけ大切にしてきた。

プールの全長は46メートル。夜になるとライトアップされ、幻想的な雰囲気に

客室は戸建てで、伝統的な建築を踏襲

敷地内に建つ48棟の客室は、沖縄県竹富町の作成した「竹富島景観形成マニュアル」に従い、すべて伝統建築を踏襲した木造平屋建て。琉球赤瓦の屋根の上から1棟ごとに異なった表情のシーサーが見守り、リゾート施設を訪れたというよりは、島の集落に巡り合ったという感覚に近い。現地で縁起がよいとされる南風(ぱいかじ)を迎え入れるため、全室南側に大きな窓が設けられている。建物を囲む「グック」と呼ばれる石垣も、地面の造成の際に出てきた琉球石灰岩を手作業で積み上げたものだ。

客室は3タイプ。「デイゴ」を意味する「ズーキ」と名付けられた洋室タイプの客室の広さは66平方メートル。定員は2~3人。

滞在したのは梅雨開け間近の6月初め。幸い、晴天に恵まれた。気温も午前中に30度を超えたが、客室のエアコンを止め、窓を開け放つと、「風の間」と呼ばれるリビングを優しい風が室内を吹き抜けていく。ここでは、建物が外界から遮断されるのではなく、自然と緩やかにつながっている。耳を澄ますと、鳥のさえずりや虫の鳴き声が響き、通る風の強弱に島の息遣いも感じられるような気がする。

お問い合わせ先

「琉球ヌーヴェル」春のディナーコース 概要
実施日:~7月24日(翌日から夏のコースに)
時間:17:30~20:00
料金:1名 14,520 円(税・サービス料込 、宿泊料別)
By The Glass Tour:ペアリング3種(4,950円)、ペアリング4種(6,380円)、ペアリング5種(7,700円)(すべて税・サービス料込)
予約:要予約。公式サイト( https://hoshinoya.com/taketomijima/)にて 前日 まで受付
対象者:宿泊者
備考:状況によりメニューの内容、食材が 一 部変更になる場合があります。


星のや竹富島
所在地 :〒907-1101 沖縄県八重山郡竹富町竹富
電話 :0570-073-066(星のや総合予約)
客室数 :48室・チェックイン:15:00/チェックアウト:12:00
料金 :1泊 112,000円~(1室あたり、税・サービス料込、食事別)*通常予約は2泊より
アクセス:石垣港よりフェリーで約10分 竹富港より送迎有

関連情報

Profile

高橋直彦

『マリ・クレール』副編集長。石垣島へは何度か訪れたことがあるが、八重山の離島へ足を延ばしたのは今回が初めて。街並み、コバルトブルーの海、そして地域の特徴を色濃く反映した芸能と民俗……。東京から訪れると、島そのものが「圧倒的な非日常」に満たされていた。そうした環境に徹底して寄り添おうとする「星のや竹富島」の賢明な姿勢を称賛したい。今年で開業10年とのことだが、これからのリゾート施設のあり方をある意味、先取りしていたと思う。機会と資力に恵まれれば、再訪したい施設がまた一つ自分の中にできた。

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