お金を増やすために、まず知っておきたいこと
2023.7.5
2023.7.5
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―初心者が取り組める「投資」の方法としてiDeCoやNISAという名称を聞きますが、どのようなものなのでしょうか?
国の制度で、投資をしたリターンに税控除があるのでぜひ使ってほしい制度になります。NISAは余裕資金の積み立てに向いていて、iDeCoは老後資金の積み立てに適しています。それぞれ、投資できる上限がありますが、余裕のある方は上限いっぱい利用することをお勧めします。
―iDeCoやNISAにはどの程度のリスクがあるのでしょうか?
iDeCoやNISAを使って、株式投資をした場合、その株式投資のリターンが変動するためリスクがあります。iDeCoやNISAの制度自体にリスクはありません。iDeCoは老後資金の積立なので、60歳まで資金を出せないので注意が必要です。
年金としてではなく、将来欲しいもののためなどにはNISAから始めることをお勧めします。
―iDeCoやNISAはどのように始めたらいいのでしょうか?
まずは大手のインターネット証券で口座開設の申し込みをして、それぞれ手続きの説明があります。各手数料が安いので、大手のネット証券をおすすめします。
―NISAを始めるために、投資する対象を考える必要がありますが、何を目安に選択すればよいのでしょうか?また、お薦めの銘柄はなんでしょうか?
株価は上下に変動するという意味で株式投資には必ずリスクがあります。しかし、長期でみると株価は上下を繰り返しながら上がっていくことを目指しています。グーグルでS&P500のチャートなどを10年分などで調べてみてください。リスクが恐れるものでないことを理解しやすいと思います。
期待リターンが大きく、リスク(価格変動)が小さいものがおすすめです。ウォーレン・バフェット氏もすすめる世界的に有名なS&P500に連動する投資信託に投資することをお勧めしたいです。アメリカの有名企業500社に投資していることになり、皆さんご存じのアップル、グーグル、マイクロソフト、アマゾンなどが大きな割合で入っています。持ち株数の分だけ、これらの株主、つまり会社のオーナーになるということです。
これが、投資した資金が働いて利益をもたらし、皆さんの資産が増えていくということです。米国の株式市場はとても健全で、イノベーションを起こせる企業が入ってくる一方、成長性がなく利益を出せない企業は退場していきますので、トップ500社に投資できるこの商品はとても魅力的です。
―NISAを始めてから、注意すること、理解しておく必要があることはなんでしょう?
NISAには、一般NISAと積立NISAがあります。皆さんには積み立てNISAを始めてほしいと思います。積み立てNISAは、毎月一定額を購入するシステムなので、誰でも簡単に始められます。
ドルコスト平均法というのですが、毎月一定額を購入することで、株価が高すぎる時に多く購入しすぎたりすることを防ぐことができます。
積み立てNISAを使ってS&P500連動投資信託に投資することにも、リスク(価格変動)はあります。しかし、先に述べたように、株価は短期的に上下しながらも6%程度の期待リターンを維持しながら長期的には上昇曲線を形成していく可能性が高く、理論上では12年程度で投資した資金が倍になります。リーマンショックのような経済的な混乱がある際は株価が大きく下がる場合もありますが、これまでの歴史では株価は戻っています。
アメリカを代表するような企業の株主になって資産形成を開始することで、円安で物価が上がっていても、ご自分の投資している米国株も円安ドル高により日本円での価値が上がっていることを認識して資産形成を楽しんでほしいと思います。
「投資」と聞くと、難しそうと感じたり、リスクを想像して尻込みしてしまったりすることも多いだろう。しかし、仕事の環境変化も感じられる今日、経済市場の変化を伝える情報がインターネットを通じて得やすくなっているからこそ、大切なお金を増やすための知識を身に付けて、自分で出来る生活の安定や、将来への不安を減らしていくお金の学びを進めてほしい。
Interview&Edit: Ryoko Morita
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大槻博史
1969年生まれ。同志社大学商学部卒、JAIMS(日米経営科学研究所)マネジメントプログラム、UCバークレーExtension ITビジネス、ファイナンス修了。
金融機関勤務を経て、2005年よりHIRO International Consultingとしてアセットマネジメント業務に従事し主に投資助言業務を行う。
事業再生、マーケティング、ファイナンス業務に精通し、各企業へのコンサルティングを行っている。個人ではS&P500連動の投資商品への積み立て投資を中心に資産形成を行っている。
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