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働き方が変化する時代、「リスキリング」が必要と言われる理由

「リスキリング」という言葉を聞いたことがあるだろうか? 人材育成に関する用語で、企業活動の中でデジタルトランスフォーメーション(DX)が進むことで、見かけるようになった用語だ。

日本でもパンデミックの発生が働き方に大きな変化をもたらしたことは事実であり、ITやデジタルソリューションの導入活用が企業にとって重要となってきている中で、働く側も変化に対応した知識や技能の習得が求められている。

「リスキリング」とは何なのか?

リスキリング

「リスキリング」は、2021年頃から日本でも関心を集めるようになった言葉だ。経済産業省の公開資料によると、「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」と説明されている。

似た意味合いを持つ言葉に「リカレント」や「アップスキル」といった言葉があるが、それぞれ「リスキリング」とは異なる意味を持っている。「リカレント」は学生から社会人となった後、職場と学校を行き来しながらスキルを高めるために学習を続けることを指す。仕事を続けながら学ぶ時間や期間を作る、このような状態に使われている。また「アップスキル」は、例えば経理業務に携わっている中で、更に現状より高度な業務や重要な業務に対応していくために、経理に必要な知識や資格を取得するべく学ぶといった意味合いだ。

一方、「リスキリング」という考え方は、これまでの業務から、市場や企業が必要とする新しい知識や技能を身に付けるために学ぶ機会を作って、自分自身にも新たな価値を創っていくことだ。「リカレント」が仕事を続けながら学びの時間を作り、新たな知識や知見を得ること、「アップスキル」がそれまでの担当業務に対する役割や成果を高める専門的な学びの機会と考えるならば、「リスキリング」は変化に対応し、働く力を更新していくために必要とされる学び方と言えるだろう。

「リスキリング」が求められる背景とは?

このように「リスキリング」という言葉が多くの人々の関心を集め、必要とされるようになったことには、市場の変化、企業活動の変化という背景がある。

1990年代の終わり頃から、日本でもインターネットの利用が普及し、重要な生活インフラとなっている。このことは企業においても同様で、インターネットを通じて、ネットワーク環境を利活用することを前提に、業務の仕組みが作られている。特にパンデミック発生を機に、非対面での業務環境が社員に提供されるようになり、在宅勤務が一気に普及したことは、多くの人の働き方に変化をもたらしたと言える。

これまでは、対面を当たり前として行われていた営業活動のような、人と人のコミュニケーションを土台とした業務でも、オンラインでの提案や打ち合わせが行われるようになり、仕事の効率化が進んでいる。

また、「DX」という言葉が少し前から注目されているが、デジタル活用により事業に新しい価値を作り出すことの重要性も認識されてきている。

時代の流れや変化によって登場した、デジタル環境を活用した働き方に対応していくためには、これまでの知見や経験だけでは補えない知識の習得が必要となっていることは、多くの働く人々にとって実感として理解されていることだろう。

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