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お金を増やすために、まず知っておきたいこと

預金と投資の違いとは?

 ―給与があまり上がらないのに、税金は増えていて、手元に残るお金が増えない状況です。最近は「投資」を検討することが薦められることも多くなっていますが、定期預金などのこれまでのお金の管理と投資はどのように違うのでしょうか?

投資初心者の方には、投資したお金が自動的に働いてくれるという体験を味わってほしいと思います。そのためには、米ドルで、米国の株式に投資してみることをお勧めします。給与が上がらず物価上昇で苦しい中、日本円だけでは資産形成することが難しい現状です。

毎月日本円で給与を受け取っているからこそ、米ドルで資産形成を考えることが大切です。ドル円の交換レートを見ながら、どちらの通貨を使って消費しようかという賢い選択ができるようになります。

専門的な話になりますが、期待リターンとリスクについて知ってほしいと思います。

期待リターンというのは、10万円投資すればどれくらいリターンがあるか、ということです。銀行の定期預金だと0.1%くらいのところが多いと思います。1年の期待リターンは0.1%で100円(税金控除せず)になります。株式の場合、代表的な投資商品であるアメリカの主要な500社に投資しているS&P500連動の投資信託に10万円投資すれば、期待リターンは6%程度になります。1年の期待リターンは6000円です。 

次にリスクの説明をします。リスクは、投資した資金が期待しているリターンから、どれくらい離れる可能性があるかということを意味します。銀行預金の場合、確実に10万円と0.1%もらえますので、そこからプラスにもマイナスにもならず、リスク0と言えます。株式投資は持株数の分だけ企業のオーナーになることができます。企業の利益はヒット商品が生まれたり、不況に陥ったりと増減します。同様に株価も上下するのです。短期的にみると、10万円より下がる可能性もあります。しかし平均すると年6%のリターンを期待できるということです。長期保有すれば、毎年期待リターン値である6%がどんどん増えていきます。

リスクは怖いものではなく、企業の利益が上下するように株価も上下しながら、長期的に上昇していくことを目指していることを理解して欲しいと思います。長期でS&P500に投資していると平均年6%の期待リターンが福利効果で、12年で約100%のリターン、つまり投資した金額が2倍になるくらいのリターンが期待できます。

Profile

大槻博史

1969年生まれ。同志社大学商学部卒、JAIMS(日米経営科学研究所)マネジメントプログラム、UCバークレーExtension ITビジネス、ファイナンス修了。


金融機関勤務を経て、2005年よりHIRO International Consultingとしてアセットマネジメント業務に従事し主に投資助言業務を行う。


事業再生、マーケティング、ファイナンス業務に精通し、各企業へのコンサルティングを行っている。個人ではS&P500連動の投資商品への積み立て投資を中心に資産形成を行っている。

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