ワイン蔵、感謝の100周年。ディナーイベントで特別の一杯をお届け【三澤彩奈のワインのある暮らし】
2023.4.5

山梨のブドウ畑に春がやって来ました。ワイン醸造家の三澤彩奈さんのワイナリーは今年、誕生から100周年を迎えます。同じ1923年に植えられた欅の木が5世代にわたるワイン造りを見守っています。【三澤彩奈のワインのある暮らし】
2023.4.5
山梨のブドウ畑に春がやって来ました。ワイン醸造家の三澤彩奈さんのワイナリーは今年、誕生から100周年を迎えます。同じ1923年に植えられた欅の木が5世代にわたるワイン造りを見守っています。【三澤彩奈のワインのある暮らし】
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ゆっくりと寒さが押し寄せてきた今冬では、30センチほどの雪が積もり、厳格な山の北風が合わさると凍えるような日もありましたが、ブドウ畑にもようやく春の訪れを感じる季節となりました。
春は、昨年収穫・醸造し、蔵内で熟成を経た、2022年産の白ワイン「甲州」の瓶詰めの季節でもあります。ブドウ畑では新しい生命が生まれ、またボトルに詰められたワインも世の中にお目見えする、私たちワイナリー一家にとってはじまりのときとも言えます。
「甲州」は、ふきのとう、タラの芽、ソラマメ、菜の花などの食材と絶妙な相性を見せてくれます。収穫とワイン醸造は、一年に一度。もの寂しいブドウ畑の冬景色に春の陽が届くようになり、近所で採れた山菜と新ヴィンテージの甲州が食卓に並び始めると、今年もはじまっていくのだと、わくわくと緊張感に駆られるのです。
グレイスワインは、本年創業100周年を迎えます。醸造所に1923年に植えられた欅の木はとうに屋根を突き抜け、5世代にわたるワイン造りを見守っています。
初代が自身の名を冠した「長太郎印葡萄酒」を醸造した1923年は、関東大震災に見舞われた年でもありました。10万を超える尊い命が奪われた大災害を経験し、「長太郎印葡萄酒」には社会を奮い立たせようと考えた高祖父の想いを見ることができます。私たち一家の名字を銘柄とするフラッグシップワイン「キュヴェ三澤」は、その意思を繋いでいます。
100周年という節目の年、グレイスワインが初代から大切に受け継いできたワイン醸造への想いを直接、お客様にお届けできる機会に恵まれました。
5月16日(火)にパレスホテル東京にて「Essence Of Japan ―山梨を堪能する初夏の晩餐-」が開催されます。お濠に臨み、1961年に開業した名門でありながら、今も変わらず若い世代にも圧倒的な支持を受ける日本生まれのホテル「パレスホテル東京」。陽光が差し込む雰囲気は、試飲イベントでも人気が高く、ワイン業界からも熱烈な憧れを集めています。
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このたびのディナーは、パレスホテル東京が「最上質の日本」の提供を目指し展開するEssence of Japanシリーズの第三弾。山梨からゲストシェフ二名をお招きした山梨の魅力溢れるワインディナーです。地元の食材を使い、県内外のお客様から愛され続けるフレンチ「La Cueillette」(山梨県韮崎市)の山田真治シェフと、自ら山に入り、食材を探し、ユニークな感性で食を表現する予約困難の「TOYOSHIMA」(山梨県富士河口湖町)の豊島雅也シェフ。山梨を代表する二人の料理人、パレスホテル東京のシェフとグレイスワインが織りなす一夜限りの華やかなディナーイベントとなっています。
ここまで家業を続けることができたのも、ひとえに支えてくださるお客様があってこそと、今、感謝の気持ちでいっぱいです。5月16日の会には、100年のお支えに御礼を伝えるべく、「キュヴェ三澤」をはじめとする特別なワインをご用意させていただきます。是非多くの方にご参加いただけますように。
中央葡萄酒株式会社 栽培醸造責任者 三澤彩奈さん
山梨県の中央葡萄酒4代目オーナーの長女として生まれる。ボルドー大学ワイン醸造学部を卒業し「フランス栽培醸造上級技術者」の資格を取得。2007年に中央葡萄酒の醸造責任者に就任。栽培と醸造に取り組む。 2014年に世界的ワインコンクール「デキャンター・ワールドワイン・アワード」の金賞を日本で初めて受賞。甲州ワインの名を世界に。「グレイスワイン」は海外で最も飲まれる日本ワインに成長。2021年11月、「甲州」の新たな魅力を引き出した「三澤甲州2020」を発売。
「グレイスワイン」のウェブサイトはこちら
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