浦浜アリサが聞く「SHIMA」奈良裕也が独立しない理由〜後編〜

美容業界と奈良裕也の未来

浦浜：いろんな活動をして多方面から美容の世界に関わっている奈良さんから見て、今後この業界はどういう方向に進んでいきそう？

奈良：よく雑誌でも質問されるけど、日本の美容業界って「美容師村」みたいな小さいコミュニティっていう感じでダサいと思うのね。世の中の全員に認められてなんぼだし、僕はそれをずっと目指してきたから、他の業界の人たちとも交流を持ってきた。「SHIMA」のスタッフたちにも、そうならなきゃだめだよって伝えています。
美容業界でちょっと有名になっても、世の中の人みんなが「あの美容師さん知ってる」とならないとだめ。それが一番大事かなと。昔より近道がいっぱいあるし、SNSでなにかのきっかけでバズったりするじゃないですか。新しいことにチャレンジするきっかけも生まれやすい環境だからね。「SHIMA」の中でも、もっと新しい人が出てくるといいなと思ってる。モデル村もそうじゃない？

浦浜：村でたとえるのは面白いね。確かに私も、その世界しか知らない人間になりたくないなと思って、なるべくフラットにいろんな情報を取り込もうと努力してます。
じゃあ最後に、いろんな肩書を取っ払った、「奈良裕也」という一人の人間として、今後こうありたいというビジョンはある？

奈良：将来どうしようかなぁと、たまに思いますよ。養老院にいつ入るんだろう？とか（笑）。埼玉の実家の土地売って家建ててそこでゆっくり暮らすか、それとも都心に買って暮らすか。でも70歳80歳になった時にこの辺りは疲れるかなとか。その時までブイブイやってるのかなーなんて考えたりするよ。

浦浜：私は、70歳の奈良さんもここ（「PICKY」）にいそうな感じするな。

奈良：結構きつくない？ 自分も、それを見てる方も（笑）。「CHOKi CHOKi（ヘア＆ファッションマガジン）」見せながら、「俺が若い時はさ」なんて言っちゃうんでしょ？ 「うざくない？」って言われるよ（笑）。自分のことを客観視できるから、そうはなりたくない。

浦浜：まぁ間違いなく「PICKY」にもいるだろうけど、サロンワークもやってそうだよね。生涯プレーヤーだと思う。

奈良：うん、やっぱり手が動く限り、この仕事はやっていたいね。

浦浜：あと、常に最新の情報をインプットしてるその感性も変わらなさそう。私が知らない流行も奈良さんはいち早くキャッチしてる。私たちはそういう情報交換を、何十年後もここで、マイクかお酒を片手にしているんだろうなって思います。

奈良：こういう環境に身を置いていれば、情報は必然的に入ってくるからね。

浦浜：心が潤いました。楽しかったです。こんなにたっぷり話したのに、記事に納めきれない部分がたくさんあるので……続きは奈良さんのYouTubeで、『番外編』として近いうちに実現できればうれしいな。ありがとうございました。

奈良：ありがとうございました。

奈良さんみたいに、自分の心をワクワクさせ、豊かにする方法を知ってる人はずっと若々しく、生きることを楽しんでいるのが伝わります。「私もこういう年の重ね方がしたい、自分の将来が楽しみ」と思わせてくれる、大切な友人であり先輩との対談をお届けしました。

photos: Ryusei Imai、interview & text: Alisa Urahama、edit: Miyuki Kikuchi

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