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【2023年国際女性デー】国連ウィメン日本協会理事長・橋本ヒロ子さんインタビュー「ジェンダー平等社会実現のため、私たちにできること」

また女性の積極的な政治参加も、女性の地位向上のために大切なことだという。「世界で国会における女性議員の割合がいちばん多いのはルワンダなんです。2022年12月1日の報告で女性政治家の割合が61.3%と世界一です。ルワンダは、深刻な戦争が続いた結果、男性の多くが戦死してしまい、残された女性たちが頑張って政治を支えています。次がキューバ、ニカラグア、ニュージーランドの順で、日本は190か国中165位(2022年12月1日現在)と、残念ながら極めて低い順位です」

平和推進活動に集まったインドネシアの女性たち。写真提供:UN Women

日本における「ジェンダー平等」への取り組みは、世界的に見てどのような位置にあるのだろう。「日本は、法律の制定においては先進国なのですが、社会における女性の地位は国際的に比較して低いのが現実です。1998年に雇用機会均等法、1999年に男女共同参画社会基本法、2002年に配偶者に対する暴力防止法が施行されました。その後もジェンダー平等のための様々な法律が制定され、2016年には女性活躍推進法が作られています。というのも、その頃、世界で活躍している実業家や国際機関で活躍する女性たちが日本で会議に出席する機会があり『日本の女性たちは能力が高いのにリーダーとして活躍している人が少なすぎる』という指摘があったんです。『今後、女性の力をもっと引き出さないと日本は成長できない』という女性リーダーたちの声を受けて、様々な法案が作られてきました。とはいえ国会における女性議員の割合はわずか9.9%と、まだまだ低いのが現状です。そのため、2018年に政治分野における男女共同参画の推進に関する法律が超党派議員の提案で制定され、2021年の改正では、女性議員に対するセクハラ防止、政党が男女共同参画に基づいた候補者数の目標設定をすることが明記されました」

日本で「ジェンダー平等社会」を実現するためには、政治家、経営者、教育者、マスコミ関係者、そして一人一人の意識改革が必要だと語る橋本理事長。「LGBTQに対する政治家たちの不適切な発言などをかんがみても、政治家たちの考えは非常に遅れているし、女性の政治家を育成するような教育が不十分。何かを変えたいと思ったら、情勢が変わることを待つのではなく、自分自身で行動をしていくことが必要です。一人で行動を起こすのは難しいと思うので、仲間を見つけることも大切。地域の女性センターを訪ねて、相談したり話を聞いたりするのもいいですし、UN Womenをはじめ、女性を支援する団体の活動に興味を持っていただくことも、ジェンダー平等社会実現に向けてのムーブメントへとつながっていきます」

Photo: Tomoko Hagimoto、UN Women text: Eriko Azuma

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関連情報
  • 国連「国際女性デー」オンラインチャリティイベント
    「誰一人取り残さないジェンダー平等で、安全な社会を築いていくために」〜ジョージア国からのジェンダー平等の現地報告〜


    ロシア、ウクライナに隣接し、現在の紛争下で不安を抱えている国「ジョージア」の現状を通して女性への暴力撤廃活動などについて知るための、Zoomでのウェビナーを開催します。


    日時:3月11日(土)午後7時〜8時15分
    参加費:無料
    お申し込みはこちらから https://kokurenwomen0311.peatix.com
    ※申し込み締め切りは3月10日まで
    主催・お問い合わせ:認定N PO法人国連ウィメン日本協会


    【国連ウィメン日本協会への寄付はこちらから】 https://www.unwomen-nc.jp/donation/


     

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