【2023年 国際女性デー】社会起業家・白木夏子さんをジレンマから救った「世界の女性たち」
3月8日は「国際女性デー」。1975年に国連によって制定されてから、今年で48年を迎える。マリ・クレール デジタルではこの女性の歩みを称える日に向けて、世界で活躍する女性を取材。今回は日本におけるエシカルジュエリーの先駆者であり、社会起業家として活躍する白木夏子さんに話を聞いた。白木さんが見た世界の女性たち、育児中に感じた「女性であること」の呪縛とは?
はじまりはインドで見た過酷な現実
児童労働や女性の貧困。いつの時代も心をときめかせる美しいジュエリーの生産背景に、実は虐げられている人がいるとしたら──。人や社会、環境に配慮したエシカルなジュエリーブランド『HASUNA』代表の白木夏子さんが、社会の歪(ひず)みを目の当たりにしたのは今から20年以上前に遡る。
「イギリスの大学で貧困問題を研究していたこともあり、1年生の夏に南インドのタミル州を訪れました。そこには、カースト制度にも入らないアウト・カーストと呼ばれる人々の村があって、特に女性と子どもが貧困にあえぎ苦しんでいる姿を初めて目の当たりにしました」
2003年、南インドを訪れたとき(写真:白木さん提供)
NGOのソーシャルワーカーの方々と、たくさんの村を回りながら話を聞き、そこで暮らす人々の現状を知ることとなった。村人たちは農業の奴隷だったり、鉱山で過酷な重労働を強いられていた。
「DVは日常茶飯事。中にはシングルマザーで、暮らしもままならず子どもを数十ドルで売った人もいました。また、インドに限らず東南アジアでも見受けられたのですが、男性が働いて得たお金を生活費に充てず、お酒やドラッグ、ギャンブルで使いこんでしまったり。女性が働ける場所がないということがどれほど苦しいことかを考えさせられました」
パキスタン・フンザ渓谷の特に貧しい地域の女性たちにトレーニングを施し、研磨職人として育成している工房(写真:白木さん提供)