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【2023年国際女性デー】国連ウィメン日本協会理事長・橋本ヒロ子さんインタビュー「ジェンダー平等社会実現のため、私たちにできること」

厳しい状況下にある女性たちのために、いま私たちができること

戦争で平和な生活や家族を奪われるだけでなく、女性としての尊厳を奪われる。そんな被害にあっている女性たちのために、私たちにできることはあるのだろうか。

「UN Womenでは、ウクライナの被害女性たちのために、寄付を募って支援しています。ウクライナのUN Women事務所から、日本を始め世界13か国から集まった寄付によって、食べ物や生理用品を届けたり、カウンセリングや職業訓練を提供したりすることができたという報告を受け、日本協会は、ウクライナの女性や少女のために寄付をしてくださった方々や団体に、その内容をお伝えしました。寄付をしてくださった方々に、そのお金がどのように使われているか報告をすることは、とても大切です」

児童婚から解放された少女(左)と話す UN Women 親善大使エマ・ワトソン。 写真提供: UN Women

戦争だけでなく児童婚や買春など、女性や子どもたちの性被害は、世界各国で起きている。「日本では、阪神・淡路大震災の時、避難所生活で多くの子供や女性たちが性的被害に遭っていたことが明るみに出ました。災害下では『加害者も災害の被害者なのだから、多少のことは我慢するべきだ』という同調圧力があったりして、こういった事実はなかなか公表されてこなかったのが現実です。この時、女性団体が積極的に調査を実施したことで被害が明らかになり、この体験を基に、2011年の東日本大震災では避難所の運営などに女性が入るようになりました。それまで震災の支援にジェンダー平等の視点はなかったのですが、女性たちが積極的に動くことで、女性を守るための政策が施行されるようになりました」

ジェンダー平等社会の実現のためには、ひとりひとりの意識改革が必要

国際女性デーに際し、各所で声があがっている「ジェンダー平等社会」の実現に向けて、必要なことは?「憲法に男女平等を明記することが基本です。アメリカがタリバンを排除してアフガニスタンの憲法を作った際、憲法に男女平等や議席の女性割合、婚姻における男女の対等な関係や親権について盛り込みました。それまではそういった女性の権利は全く認められていなかったんです。憲法などが整備された一方で、女性の10人中9人が家庭内暴力の被害にあっているという報告もありました。法律を整備すると同時に、厳しい環境にある女性たちの自立を支援していくことも必要です。国連ウィメンは女性の自立を支援する活動をしていましたが、タリバン政権により厳しくなりました。国会議員の30%近くいた女性議員はゼロになり、女性は基本的に外で働くことが禁じられ、女子は中学校以上に進学することも禁じられました。」

ケニアの茶摘み農園で働く女性たち 写真提供:UN Women
Digital のコーデイングを学ぶ少女たち。写真提供:UN Women
ロヒンギャ難民キャンプでの研修風景 写真提供:UN Women
関連情報
  • 国連「国際女性デー」オンラインチャリティイベント
    「誰一人取り残さないジェンダー平等で、安全な社会を築いていくために」〜ジョージア国からのジェンダー平等の現地報告〜


    ロシア、ウクライナに隣接し、現在の紛争下で不安を抱えている国「ジョージア」の現状を通して女性への暴力撤廃活動などについて知るための、Zoomでのウェビナーを開催します。


    日時:3月11日(土)午後7時〜8時15分
    参加費:無料
    お申し込みはこちらから https://kokurenwomen0311.peatix.com
    ※申し込み締め切りは3月10日まで
    主催・お問い合わせ:認定N PO法人国連ウィメン日本協会


    【国連ウィメン日本協会への寄付はこちらから】 https://www.unwomen-nc.jp/donation/


     

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