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クリス-ウェブ 佳子が語る「娘たちとの距離、パートナーとの関係、そして次なる“肩書”は?」

2か月に一度、彼と旅に出る

3年前にイギリス人の夫と離婚。その後、出会ったパートナーとは良好な関係を築けている、と話す佳子さん。

「2カ月に一度、労いの旅に連れて行ってくれるんです。ふたりとも京都が大好きなので、昨年は5回行きました。東京ではアウトプットすることばかりなので、旅ではインプットするように心がけています」

もう一度結婚したい?という問いには、静かに首を横に振った。

「子どもを授かりたい気持ちはないので、結婚は特別急いではいません。娘たちが精神的にも経済的にも自立して、そのときの日本の法律制度で結婚が必要だと感じれば、結婚するかもしれません。結婚して何かが変わるという期待より、結婚しても何も変わらないでいたいので、今はこのままが心地よいです」

今が最も楽しいと感じる40代。次なる肩書は?

20代で妊娠、結婚、出産。30代でファッション誌『VERY』の専属モデルとしてデビュー後、モデルの枠だけにとらわれず、様々な分野に挑戦する佳子さん。これからの40代で挑戦してみたいことは何だろう?

「ニューヨークに住んでいた時に、有名雑誌にフリーランスで広告営業をしている男性の話を耳に挟んだんです。そんなことができるんだ!と衝撃を受けて以来、ずっとそれが頭の片隅にありました。

私、雑誌という紙媒体が昔からすごく好きで。だから雑誌の存続のためにも、ずっと脳裏にこびりついていたその仕事を実現したいなと思っています。時代に応じたマーケティングについては学び直す必要はあるけれど、行動力と情報力と共感力と想像力はあるから。ブランドと紙媒体と読者を繋げるマッチングアプリみたいな人になりたいな、と考えています」

「プライベートでも人と人とをつなぐことが大好き」と笑顔で話す佳子さん

実際に、インターンとして働くことも視野に入れているそう。

「ひとつのコンテンツをどのように分散してマーケティングするかを考えるのが楽しいし、好きなんです。例えば“TikTok”。40代にはまだまだ馴染みのないSNSだけれど、“TikTok” は忙しい大人にピッタリな、時短の情報源なんです。AIやメタバースにも興味があります。“もう歳だから”を言い訳にするのは、いつの時代ももったいない。それに現代の子どもたち以上に、大人は情報の獲得と選択に長ける必要があるんです。そうじゃないと、子どもたちを守れないから」

今は人生において第2幕ではなく、第3幕のスタートラインに向かっている、と話す佳子さん。第1幕は生まれてから結婚するまで、第2幕は結婚と離婚、そして子育ての終わりを迎えるまでの第3幕が始まる──。

「40代の今が一番楽しいです。ただ、今の50代の女性たちからも鼓舞されます。そんな先輩たちを見ていると50代が楽しみです。モデルの亜希さんやスタイリストの大草直子さん、デザイナーの中山まりこさんなど、エネルギーがすごい。そんな先輩方と一緒に仕事がしたいという野望が仕事をし続けるモチベーションにもなっています」

人生のロールモデルは?と尋ねると、即座に人生の大先輩、島根で一人暮らしをしている94歳のにお祖母様だと話す。

「昨年、彼と一緒に10年ぶりに祖母に会いに行きました。祖父が工務店をしていたので、勝手口が5つもある大きな家に一人で住んでいるのですが、今でもピカピカに家を磨き上げています」

驚いたのが、お祖母様が「1日15人と話をする」。ことを日課にしていること。

「都会に住む私ですら1日に15人と話すなんて難しい。なのに祖母は違うんです。勝手口が5つもあるから、いろんな人があっちからこっちから祖母に会いに来るんです。採れたての白菜を持ってきたり、釣ったばかりの魚を持ってきたりと。そんな祖母に比べたら、私はまだまだ未熟者です」

“母だから”“モデルだから” ──自分自身をカテゴライズせず、チャレンジし続けているクリス-ウェブ 佳子さん。その生き方は、次なるステップを軽やかに踏み出すヒントとなる。

photo: Tomoko Hagimoto interview & text: Akiko Yoshida

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Profile

クリス-ウェブ 佳子

1979年生まれ。雑誌「VERY」専属モデルを経て、現在は幅広い媒体でモデルとして活躍。著書に、エッセー集『考える女(ひと)』(光文社)、『TRIP with KIDS こありっぷ』(講談社)など。
Instagram:@tokyodame 

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