×

クリス-ウェブ 佳子が語る「娘たちとの距離、パートナーとの関係、そして次なる“肩書”は?」

人生100年時代と言われる昨今、働き方や家族のあり方、学び方など生き方そのものが多様に変化してきている。人生の転機をチャンスに変えた人たちは、次のステップをどう踏み出したのだろう?

そんな先人たちの話を聞く連載「ネクストステージ」。第2回はモデルのクリス-ウェブ 佳子さんにフォーカス。長女が高校卒業でいよいよ“卒母”が見えてきた今、次に開く扉とは?

直前に「大学受験しない!」宣言。その時、母は?

モデル、コラムニスト、ラジオDJ、トラベルライター…etc. 多彩な肩書を持つクリス-ウェブ 佳子さん。

「私、実は飽き性なんです。多々ある肩書が生まれては消えていくなか、“お母さん”だけは今後も続いていくし、続けたい肩書きです」

1979年生まれ、現在43歳の佳子さん。今春、長女が高校を卒業する。当然のように大学進学を視野に入れていたそうだが、昨年10月に長女から「やっぱり大学受験はやめる」と伝えられたのだと言う。

「親としては『とりあえず!(大学へ行こう)』という気持ちがあって、悩みました。ただ、彼女曰く『私は保険をかける生き方をしたくない』と。結局、というか長女を信じて、彼女の決心に委ねることにしました」

10歳の頃からご本人の希望でエージェントに入り、女優業をしている佳子さんの長女。母と娘の関係性を大切にしたかった佳子さんは、仕事について口を挟んだり、台本の読み合わせもしないなど、長女が向き合う仕事に関して完全なるノータッチを貫いてきた。

「インタビューなどで『どんな人が一番素敵だと思いますか?』と尋ねられると、いつも『自分で自分の人生を決めてきた人』とお答えしているんです。それなのに長女の人生を自分で決めさせてあげないことには、辻褄が合わないでしょう?」

インタビューと撮影は、佳子さんのご自宅で行われた

19歳で大学を休学し、単身ニューヨークへ渡米。帰国後に就職。そして25歳の時に結婚と出産を同時に迎えた。その後、4年半の専業主婦時代を経て、モデル業に転身──佳子さん自身を、自ら自分の人生を決めて築いてきた。そこにはお父様から言われた「自由の先には責任があって、その責任を全うできるのであれば、欲しい自由は手に入れなさい」という言葉があったのだそう。

「私がそうしてきたのだから、長女にも自分ですべて決めさせようと。最近は一人暮らしをしたいと言っているんですが、それも素敵なことだと思っています。価値観や金銭感覚、感謝すること、多くの気づきがあると思うので。晴れやかな気持ちもあり、寂しさもありますが」

いよいよ成人。「目を離しても、心を離すな」

2022年、成年年齢が20歳から18歳に引き下げられた。佳子さんの長女も昨年18歳になり、成人となった。この18年間を振り返って、最も大変だったと思う時期は?という質問に、佳子さんは「12歳から18歳です!」と即答した。

「“中二病”という言葉がありますが、本当にその通り。今思えば、子育ての初期なんてかわいいものでした。肝に銘じている言葉があって、せっかくなのでご紹介します。

乳児は肌を離すな
幼児は手を離すな
少年は目を離すな
青年は心を離すな

今はまさに“心を離すな”の時期。東京都の条例で、18歳未満の門限は夜11時と決まっているので、子どもたちには正論をぶつけて『11時までに帰って来るんだよ』と口すっぱく言っています。面倒でも、それが私の役目なんだなと思って。口すっぱい母でいられるのも、あと少しかもしれないので」

Profile

クリス-ウェブ 佳子

1979年生まれ。雑誌「VERY」専属モデルを経て、現在は幅広い媒体でモデルとして活躍。著書に、エッセー集『考える女(ひと)』(光文社)、『TRIP with KIDS こありっぷ』(講談社)など。
Instagram:@tokyodame 

リンクを
コピーしました