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Feature

©︎marie claire/photo: Bruno + Nico Van Mossevelde / realization: Anne-Sophie Thomas / jacket, shoes, ring: CHANEL / pants: LEVI’S / styling assistant: Agathe Gire / hair: Perrine Rougemont〈Caren〉 / make-up: CHANEL par Christophe Danchaud〈B. Agency〉 / manicure: Edwige Llorente / set design: Sylvain Cabouat〈WSM〉 / assistant: Loana Baroux / cooperation: Jardinerie Truffaut / production: Zoé Martin〈Producing Love〉 / assistant: Ludovic Del Puerto

映画『アネット』主演マリオン・コティヤールが語る”ロック・オペラ・ミュージカル”の魅力

数多くの名優を生み出してきた“芸術大国”フランスが世界に誇る女優の一人、マリオン・コティヤール。2007年の映画『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』では、フランス人女優として史上2人目、49年ぶりとなるアカデミー賞主演女優賞を獲得し、映画史にその名を刻んだ。名だたる監督からオファーが絶えないなか、フランスの鬼才レオス・カラックスの最新作『アネット』ではヒロインに抜擢。「傑作」との呼び声が高い話題作について、自身の思いを語る。

映画『アネット』予告編

洗練された大人の色気と、吸い込まれそうな大きな瞳が印象的な女優マリオン・コティヤール。毎年恒例の「世界で最も美しい顔100人」の常連でもあるマリオンの美しさは、スクリーンのなかでもひと際上品な輝きを放つ。世界中のフィルムメーカーのみならず、「シャネル」や「ディオール」といったラグジュアリーブランドがミューズとして指名するのも頷ける。そんな彼女が「ダークファンタジー・ロック・オペラ」と称されるミュージカル映画『アネット』でタッグを組んだのは、映画界でも一目置かれる存在として知られているレオス・カラックス監督。劇中では、攻撃的なユーモアセンスで人気を博すスタンダップ・コメディアンのヘンリーと恋に落ちる国際的に有名なオペラ歌手のアンを演じている。「最初に脚本を読んだとき、この作品のヒロインを自分が手に入れることができて本当にラッキーだと感じたわ。読み進めていくなかで物語にもどんどん引き込まれていったし、オペラ的なミュージカルの高揚感と映画が描く深い闇の両方にとても共感したのよ」

レオス・カラックスの芸術性に心を奪われ、すべての作品を観ていたというマリオンだけに、本作のオファーには喜びとともにプレッシャーも感じていたと打ち明ける。

© 2020 CG Cinéma International / Théo Films / Tribus P Films International / ARTE France Cinéma / UGC Images / DETAiLFILM / Eurospace / Scope Pictures / Wrong men / Rtbf (Télévisions belge) / Piano

「すぐにレオスと仕事がしたいと思ったものの、この役に求められるものすべてを自分が発揮できるかどうかそのときはわからなかった。しかも、レオスは稀有な映画監督で、監督作もほんの数本。当然のことながらそれがプレッシャーとなっていたし、『もし彼の芸術性に応えることができなかったら……』という恐怖を覚えていたのは確かよ。実際、たった数週間でオペラ歌手になれないのは明らかでもあったしね。だから、少しためらう気持ちもあったの」

しかし、そんな不安を微塵も感じさせないほど、スクリーンに映るマリオンの堂々たる佇まいは、さすがオスカー女優である。彼女自身の才能がなせる業でもあるが、それを引き出したのはレオス・カラックスの高い演出力。

© 2020 CG Cinéma International / Théo Films / Tribus P Films International / ARTE France Cinéma / UGC Images / DETAiLFILM / Eurospace / Scope Pictures / Wrong men / Rtbf (Télévisions belge) / Piano

「初めから技術的なことや音楽などについて色々と話し合うことができたし、役作りの参考になるような資料や動画をたくさん送ってくれたおかげで、役をよりよく捉えることができたわ。彼は細かいところにまでつねに注意を払っていたけれど、特に気にしていたのは私が着る衣装やアンの外見。そうやって仕事を進めていくにつれて、アンが肉付けされていくのを感じることができたの」

さらに、撮影が始まってから驚かされることもあったと付け加える。

「現場での彼はとても明解で情熱的。とにかく俳優を愛してくれるし、礼儀正しいのよ。俳優としてはレオスのようなアーティストから見守られ、大切にされていると感じられるのは素晴らしいことだと思うわ。彼は冗談を言う子どもみたいなところがあって、そのユーモアのセンスにはびっくりしたけれど、セットで笑わない日はないほど本当に活力に溢れた人なのよ。今回はヘンリー役のアダム(・ドライバー)とも初めてだったけれど、笑いで絆を深めることができたし、暗く破壊的なキャラクターでも明るい雰囲気を保ったまま表現できたのは、“レオスの流儀”がもたらしてくれたものだわ」

本作では、“美女と野獣”のようなセレブ・カップルの甘い恋愛関係を描くかと思いきや、2人の間に非凡な才能を持った娘アネットが誕生したことによって、2人の人生が狂い始め、深い闇へと吸い込まれていく姿が映し出されていく。原案はロック界で50年のキャリアを誇る兄弟バンド・スパークスによるものだが、マリオンはこう分析する。

© 2020 CG Cinéma International / Théo Films / Tribus P Films International / ARTE France Cinéma / UGC Images / DETAiLFILM / Eurospace / Scope Pictures / Wrong men / Rtbf (Télévisions belge) / Piano

「この映画で一番衝撃だったのは、エゴが結婚生活へ与える影響を描いているところ。エゴがいかに強力に自己実現をたきつけ、どれほど自分を自分自身から遠ざけてしまうか。そして、承認欲求という“病”がいかにすべてを蝕み、人をモンスターに変え、それが一番身近な人たちを操るようになってしまうのか、という様を見ることができると思うわ。だから、アンとヘンリーを待ち受けているお互いを蝕み合うような運命に対して、彼らはどうすることもできないの。人を愛するものから引き離し、破壊させかねない内なる病をこの作品はとてもパワフルに描いているのよ」

大きなチャレンジとともに刺激的な現場を経たマリオンが、女優として新たな扉を開いたことは間違いないだろう。フランスが生んだ唯一無二の才能が引き起こす不気味で美しい男女の“化学反応”に、息をするのも忘れてしまうはずだ。

『アネット』
4月1日(金)ユーロスペースほか全国ロードショー
監督: レオス・カラックス
原案・音楽: スパークス
歌詞: ロン・メイル、ラッセル・メイル & LC
出演: アダム・ドライバー、マリオン・コティヤール
公式サイト: http://annette-film.com

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