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前田敦子が語る、藤ヶ谷太輔との共演映画『そして僕は途方に暮れる』。“自分と向き合わない人とは関わらない”

Photo:Yusuke Taked

現在公開中の映画『そして僕は途方に暮れる』。主人公のフリーター・菅原裕一が、ほんの些細(ささい)なことを原因にして恋人や友人、親友や先輩後輩、そして家族など、あらゆる人間関係を断ち切り逃避する姿を描いた作品だ。『愛の渦』『娼年』など、賛否入り混じる作品を作り出す異才・三浦大輔が脚本・監督を務め、主演の菅原役は藤ヶ谷太輔、その恋人である里美を前田敦子が演じている。

『そして僕は途方に暮れる』はもともと、作者の三浦の演出による舞台版が存在し、主要キャストは舞台版から引き続いて同じ人物を演じている。今回、舞台でも里美役を演じていた前田敦子に、舞台版との違いをキーにしつつ、この作品への思いを聞いてみた。前代未聞の「現実逃避型エンタテインメント」の見どころとは。

舞台と映画の中間のような作品って?

──今回は舞台作品の映画化ですが、演じる上で舞台と映画とで異なる点や苦労した点などはありましたか

舞台の時はけっこう苦労したのですが、映画はどこかしっくりくる作品ではありました。舞台では最初に三浦さんが「舞台だけれど映画のような作品、両者の中間の作品を作りたい」とおっしゃっていて、それがすごく難しかったんです。内容的には日常の話だったりするので、映画のほうがしっくりきやすかったかもしれません。

──映画の撮影で久しぶりに舞台版のキャストのみなさんと顔を合わせたと思います。会ったときの印象や雰囲気はいかがでしたか?

藤ヶ谷さんとは、舞台のとき2か月ほどずっと一緒にいたんですけど、それぞれ楽屋に引き籠もって本番を迎えるような毎日で、会話をする瞬間がまったくと言っていいほどなかったんですよね。ですから今回の撮影で「ひさしぶり!」みたいな感慨がなかったのが、逆にすごく新鮮でした。

──新型コロナもあったので、出演者で集まることは長らく難しかったと思いますが、撮影が終わった頃にはキャストの皆さんとコミュニケーションは取れましたか?

打ち上げというものがなくなってしまったぶん、演者やスタッフがつながっていく感じは前よりは薄れているのかなと、どの作品をやっていても思います。ずっと絆がつながって深くなっていくっていうのは、今はなかなか難しいですね。

関連情報
  • 『そして僕は途方に暮れる』
    TOHOシネマズ日比谷ほか 全国にて公開中
    配給:ハピネットファントム・スタジオ
    ©2022映画『そして僕は途方に暮れる』製作委員会
    https://happinet-phantom.com/soshiboku/

    前田敦子 衣装/ アディアム 東京ミッドタウン店/03-3402-1019

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