狂おしいほどの愛。尾野真千子が映画『千夜、一夜』で“待つ女”を熱演
2022.10.6
2022.10.6
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──もし、最愛の人が突然姿を消したら……、登美子のように帰りを待ちますか? それとも奈美のように前に進みますか?
今、夫が蒸発したら……。
ずっと帰りを待つと思う。でも、人生設計を考えたとき、何歳までに子供が欲しいとか、今、強烈に子供が欲しいとか、そういう思いがあるとしたら、いつまでも待っていられないですよね。だから前に進む選択をするかもしれない……。素敵な人と一緒になるか? どうなんだろう、正直、その状況にならないと分からないですね。
──撮影中の印象的なエピソードを教えてください。
シリアスな物語なので現場に明るさというより、常にいい緊張感がありました。
リアルさを出すために、テストをせず本番に入って感情的なシーンを撮ることもあり、そういう時はキリッとした空気でした。
──映画の中で、印象に残っているシーンはありますか?
夫役の安藤さんが自宅に帰ってきたシーンで、彼を思いっきり叩く場面があります。あの時は大変でした。怒り、悲しみ、虚(むな)しさ……感情を爆発させて安藤さんを叩くんですが、本当に感情的になってしまって、何度も思いっきり叩いてしまったんです。本当に悪いことをしたなって思っています。
──かなり重要なシーンですね?
そうです。重要な場面です。
あのシーンを見た方の、心に伝わる演技じゃないとダメなんですよね。本気で叩いているわけですから、そう見えないと。もし、中途半端に見えていたら、大失敗なので、どうか見てくださる皆様に気迫が伝わればいいなと思います。
──田中裕子さんをはじめベテランの俳優陣が多く出演していますが、現場での思い出はありますか?
ベテランの方が多くいらっしゃる現場だったけど、それを意識して特別に振る舞うとかそういうことはなかったです。ただ、先輩たちがどんなふうに役作りとかをしているのかということが、すごく気になりました。色々なことを“盗みたい”という気持ちが大きかったのは確かです。
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