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パリで開催中のショーメ「ヴェジェタル」展で時代とジャンルを超えた植物の美にひたる

人々が惹きつけられた自然の美の数々

3つ目のテーマ「潮間帯」では、19世紀後半から20世紀初頭にかけて一大ブームとなった海藻にインスパイアされた作品が展示されている。当時、パールがダイヤモンドよりも人気だった時期があり、先端にサファイアをあしらった大胆なパールのネックレスや、ジョセフ・ショーメの海藻のティアラ(1900年頃)、巨大なアクアマリンを口にくわえた海龍のブローチ(ジョルジュ・フーケ作)などの作品が一際目を引く。

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アンナ・アトキンスの植物写真 海藻のモチーフはテキスタイルでも人気があったそうだ ©Paris Chaumet Collection
ジョセフ・ショーメの繊細なパールとサファイアのネックレス(1920年)
ジョセフ・ショーメの繊細なパールとサファイアのネックレス(1920年)© Jean-Luc Perreard / Scénographie Studio Adrien Gardère
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ジョルジュ・フーケの海龍のブローチ(1900年頃)© Jean-Luc Perreard / Scénographie Studio Adrien Gardère

4つ目のテーマ「ヨシ原」ではクロード・モネの「睡蓮」(1903)から、ジョセフ・ショーメの見事なトンボのブローチ、そしてピエール・ステルレがショーメのために特別にデザインしたカワセミのブローチが、まるで今にも飛び立つかのような躍動感のある一瞬の動きを捉えていることに驚く。

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クロード・モネ 睡蓮(1903年)© Jean-Luc Perreard / Scénographie Studio Adrien Gardère

ジョセフ・ショーメ トンボのブローチ
ジョセフ・ショーメ トンボのブローチ© Jean-Luc Perreard / Scénographie Studio Adrien Gardère
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さまざまな葉の標本© Jean-Luc Perreard / Scénographie Studio Adrien Gardère
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ピエール・ステルレがショーメのためにデザインしたラピスラズリとダイヤのカワセミのブローチ(1970年)© Jean-Luc Perreard / Scénographie Studio Adrien Gardère

Profile

須山佳子

すやま けいこ marie claireパリ特派員。東京生まれ、パリ在住20年。
大学を卒業後パリに渡り、INSTITUT FRANCAIS DE LA MODEでファッション経営のMBAを取得。ファッション界で働いた後、日本の美容とライフスタイルブランドを欧州市場へ紹介するコンサルティング会社と、ECサイトhttp://www.bijo.parisを立ち上げる。老舗百貨店「ル・ボンマルシェ」に定期的に招待されPop-upを企画し、昨年末に常設コーナー「Bijo;」をオープン。
公式Instagram:https://www.instagram.com/keikosuyama_paris/

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