×

ランウェイの多様性はどこへ? ファッションウィークにおけるプラスサイズモデルの割合はわずか0.3%

Jeff Kravitz / Getty Images

2010年代半ば以降、多様性やボディポジティブの広がりとともに、プラスサイズモデルの起用などの変化が見られていたファッション業界。ハリウッドでも同様の動きがあったが、近年はモデルも俳優も再び “痩身志向”へと逆戻りしているようだ。レッドカーペットにはスレンダーな俳優があふれ、直近のファッションウィークにおいては、痩せ形モデルの割合が97.6%だったことが明らかになった。マリ・クレール インターナショナルのフランス版デジタル記事よりお届け。

極端な痩せ形がランウェイやレッドカーペットに復活するなか、2026年3月23日(現地時間)に発表された『Vogue Business』のレポートによると、サイズにおける多様性は明らかに後退しており、プラスサイズモデルの割合は過去3年間で最低水準となっている。

最近のいくつかの調査のうち、米サイト『Page Six』が発表したものが特に、ランウェイやレッドカーペットにおける極端な痩せ形の大量復活を警告するなか、2026年秋冬シーズンは、その傾向が現実のものとなったことを裏付けている。

この投稿をInstagramで見る

HELLO! Canada Magazine(@hellocanadamag)がシェアした投稿

ここ数年、より包括的であることを打ち出してきた(2016年、プラスサイズモデルのアシュリー・グラハムが米誌『Sports Illustrated』恒例の水着特集の表紙を飾ったことをきっかけに、多様な体形を肯定するボディポジティブのムーブメントが広がった)業界のイメージの裏で、基準は再び狭まり、極度にスリムなシルエットへと回帰しつつあるようだ。一部ではその傾向を懸念する声も上がっている。

この後退は決して些細(ささい)なものではない。多くのメディアや業界分析は、短期間のボディポジティブの潮流を経て、再び痩せ形が主流となった業界が「古い習慣に戻っている」と指摘している。こうした状況下で、標準的ではない体形はますます主流からはずれた扱いとなり、場合によっては多様性をアピールするために利用されているようにさえ見える。

憂慮すべき数字

まさにこれを浮き彫りにしているのが、『Vogue Business』が発表した直近のファッションウィークに関する包括性についての報告書だ。バレンシアガやジバンシィなど一部のブランドがミッドサイズやプラスサイズのモデルを起用し続けているものの、こうした取り組みは依然として孤立したものであり、全体的な減少傾向を補うにはいたっていない。

理想の体形に最適化することへの強いこだわりや、オゼンピック(もともと糖尿病治療薬だがダイエット目的でも利用されている)に代表されるような減量治療の人気が高まっている風潮のなかで、こうした一部の例は構造的な前進というよりも、むしろますます稀(まれ)になっているからこそ、かえって目立つ例外のようにさえ見える。

同誌によると、2026年秋冬ファッションウィークは、ここ数シーズン見られていた逆説を裏付けるものとなった。確かに目に見える進歩もいくつかあるが、全体的な傾向としては後退している。

数字は明白に物語っている。182のショーで分析された7817のルックのうち、97.6%がスタンダードサイズ(US 0〜4)であり、ミッドサイズ(US 6〜12)はわずか2.1%、プラスサイズ(US 14+)は0.3%にとどまった。これにより、プラスサイズの登場率は過去3年間で最低水準に落ち込み、2025年のファッションウィークですでに危機的とされていた水準に戻ってしまった。

パリは特に包括性の欠如が際立っており、99.5%がスタンダードサイズだった。対してロンドンは依然として最もインクルーシブな都市だが、そこでも数字は減少傾向にある。

表現と現実の根強いギャップ

ランウェイを超えて、この報告書は、マーケティング上の表現と実際に購入できるかどうかとの間に構造的なズレ、とりわけ店舗におけるそれを浮き彫りにしている。一部のブランドが体形の多様性をアピールしているとしても、それが必ずしも販売されているコレクションに反映されているわけではない。

『Vogue Business』が約700人の消費者を対象に実施した調査によると、48%が「流行に乗るために痩せなければならない」というプレッシャーを感じており、その主な原因は自分のサイズが見つかりにくいこと(63%)にある。ラグジュアリー業界では、この状況はさらに顕著だ。プラスサイズの消費者の27%が、自分のサイズを「全く見つからない」または「めったに見つからない」と回答している。

問題は特に実際の品ぞろえにある。大半のブランドのラインアップはUSサイズ14または16(欧州サイズ42~44)までとなっており、これはプラスサイズの入り口にあたるサイズだが、しばしば品切れ状態にある。

バイヤーやキャスティングディレクターらは、パターン製作から生産、マーケティングに至るまで、構造的な投資不足にふれ、ブランド側の責任を指摘している。

しかし、経済的な潜在力は確かに存在する。メディアの取材に応じたドイツ発ハイブランドオンラインショップ「Mytheresa」のバイイングディレクター、Tiffany Hsu(ティファニー・スー)氏によれば、在庫があれば、より大きなサイズがすぐに売れていくという。これは需要よりも供給の問題であることを示唆している。

今回の報告書は、明確かつ懸念を呼ぶ現状を示している。意識の高まりは見られるものの、ラグジュアリー業界におけるサイズの包括性は依然として限定的で、一貫性を欠いているのだ。

※(   )内編集部注

translation & adaptation: Akiko Eguchi

『エミリー、パリに行く』リリー・コリンズが体形批判の標的に 大胆な“お腹見せ”ルックが物議をかもす

関連情報

リンクを
コピーしました