×

『エッフェル塔~創造者の愛~』パリの象徴は難題だらけだった!主演のロマン・デュリスが語る

──今回エッフェル塔の設計者ギュスターヴ・エッフェル役のオファーがきた時、どう思いましたか?
素晴らしい役だと思った。エッフェルはすべてのフランス人が憧れる存在だし、その偉業には、だれもが敬意を表しています。今でも大変なのに、19世紀末に地上300mのタワーを建てるというのは、狂気の沙汰だったかもしれない。

建築家になりたかった僕にとっては、それは夢のような役柄だと思い、すぐに引き受けた。

──役作りのためにしたことは?
もちろん当時の資料を見たり、自分なりに考えてみた。実はギュスターヴは、どんな人物だったのか、どんな私生活だったのか、細かなことは何もわかってないのです。やはり映画の中では好感の持てる人物にしたかったし、実際の人物像は知られていないのなら、かえって自由に作れる。そんな気がしたのです。

──塔の上の高い足場で、恋人アドリエンヌが、エッフェルとの関係を夫に打ち明ける、と告げる大事な場面もあったけど、高い空中で演技に集中するのは大変だったのでは?
高いといっても、300mのところではなかったし、撮影のしかたによっては、実際より高くみせることもできるのです。それに共演した女優のエマ・マッキーは、自然な雰囲気のひとなので、こちらもとてもやり易かった。

──来日は何度目ですか?
6回か7回目だと思う。東京ではいろいろな建造物をみて歩くのが好き。多種多様のスタイルがあるし、それが混在しているのに、調和があって面白い。モダンなものと伝統的なものが、違和感なく並んでいる。父が建築家だったし、僕も建築家か、グラフィック・アートの分野に進みたかった。

──今後の活動は?
ちょうどセドリック・クラピッシュ監督の『スパニッシュ・アパートメント』から20年経ち、その姉妹編ともいえる 『Salade Grecque (原題)』を撮ったし、大河ドラマも終えたところなので、この後京都へいき、少し休息したいと思っているよ。

日本滞在を楽しむ計画があるらしく、いかにも嬉しそうだ。
2023年は、ギュスターヴ・エッフェル没100年という、節目の年だという。

interview & text: Kasumiko Murakami、edit: Miyuki Kikuchi

【関連記事】もうすぐ春。新しい自分になれる、ファッションを楽しむ映画3選

『エッフェル塔~創造者の愛~』
新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて全国公開中
監督:マルタン・ブルブロン 脚本:カロリーヌ・ボングランほか
出演:ロマン・デュリス、エマ・マッキー、ピエール・ドゥラドンシャンほか
提供:木下グループ 
配給:キノフィルムズ
© 2021 VVZ Production – Pathé Films – Constantin Film Produktion – M6 Films
公式HP:eiffel-movie.jp

リンクを
コピーしました