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11月8日は「いい歯の日」。歯科衛生士に聞いた、正しいオーラルケアのポイント

11月8日は「いい歯の日」。日本歯科医師会が、「8020運動」を始めとした啓蒙活動として1993年に設定したもの。いつまでもおいしく食事をとるためには、健康な歯を保つことが何より大切だ。「いい歯の日」をきっかけに、日頃の口腔ケアに目を向けてみよう。

今回は正しい歯磨き方法やデンタルツールの選び方など歯のケアについて、歯科衛生士の菅野紋加さんにお話を伺った。

歯と歯茎の境目や、歯と歯の間の磨き残しに注意

いい歯の日

日頃多くの患者さんの口腔内を診ている菅野さん。きちんと磨けていなかったり、磨き残しが多かったりするのはどの部分だろうか。また、磨きにくい部位を磨くためにはどうしたらいいのだろう。

「歯と歯茎の境目や、歯と歯の間の磨き残しが多いです。

歯と歯茎の境目をしっかり磨くには、歯ブラシの毛先を歯と歯茎の境目に45度の角度で当てて、細かく前後に動かして磨きましょう。歯ブラシを鉛筆持ちすることで小さく動かすことができますよ。

歯と歯の間は歯ブラシの毛先が届きにくいため、磨き残しが多くなります。歯ブラシを大きく動かしてしまうと、歯と歯の間に歯垢を押し込んでしまうので、歯ブラシを小刻みに動かしましょう。また、歯ブラシだけでなく、デンタルフロスを使うことで歯垢が取れやすくなり効果的です」

欠かせないツールである歯ブラシ選びのポイント

「歯ブラシはそれぞれ“毛のかたさ” “ヘッドの大きさ” “毛先の形状”が違います。そのため、自分のお口に合った歯ブラシを選ぶことが大切です。

まず、毛のかたさについて。かたいものは汚れを落とす力はありますが、力が加わりやすいため、歯や歯茎を傷つけてしまうことがあります。ふつう〜やわらかめの歯ブラシが使いやすくおすすめです。歯茎が弱っていたり、出血が多い方などはやわらかめの歯ブラシを選ぶのが良いでしょう。

次にヘッドの大きさですが、ヘッドが大きいものは面積が広く磨きやすいです。ただし、ヘッドが大きすぎると奥歯や細かいところに毛先が届きにくく磨き残しが多くなってしまいます。お口の小さい方や親知らずのある方はヘッドが小さい歯ブラシを選ぶことがおすすめです。

毛先の形状は、丸いラウンド毛は、歯や歯茎を傷つけにくく、歯の表面の歯垢を効率よくとることができます。毛先が細いテーパード毛は、歯周ポケットに入りやすく、歯茎が腫れている方や歯周病ケアにも向いている歯ブラシです」

「また、使う歯磨き粉の種類により、期待できる効果も異なります。

◆虫歯予防にはフッ素入りの歯磨き粉
フッ素は虫歯予防に効果があります。フッ素には歯の再石灰化の促進、歯質の強化、虫歯菌の働きを抑える効果があります。日本の薬事法で定められているフッ素濃度の上限に近い、最大量配合の1450ppmの歯磨き粉がおすすめです。

◆研磨剤に注意
研磨剤入りの歯磨き粉は汚れを落とす効果がありますが、粒子が大きいと歯を削る力も強くなってしまいます。最近では研磨剤が微粒子のものや、研磨剤不使用で汚れを浮かせて落とす歯磨き粉も増えてきています。そういった歯磨き粉を選ぶことがおすすめです。

◆成分に注目する
歯周病予防には、薬用成分の殺菌効果の高いIPMP、お口の中に浮遊している細菌に効果のあるCPC配合の歯磨き粉がおすすめ。成分により効果が変わるため、症状や目的に合わせた歯磨き粉を選ぶことが大切です」

歯磨き粉の適量は年齢によって変わりますが、大人の方は1〜2㎝が目安としてください」


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Profile

菅野紋加(かんの・あやか)
東京都内の歯科医院で研鑽を積み、現在は渋谷区代々木にある「ライラデンタルクリニック代々木」にて歯科衛生士として勤務中。
ライラデンタルクリニック代々木

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