故クリストとジャンヌ=クロードの夢、「梱包された凱旋門」アートが遂に実現!
2021.9.24
パリのランドマークである凱旋門が壮大なアート作品に! いまは亡き芸術家夫妻が1961年から構想していた計画が、60年を経て実現した。いったいどんな作品なのか。マリ・クレールの特派員が現地レポートをお届けする
2021.9.24
パリのランドマークである凱旋門が壮大なアート作品に! いまは亡き芸術家夫妻が1961年から構想していた計画が、60年を経て実現した。いったいどんな作品なのか。マリ・クレールの特派員が現地レポートをお届けする
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数々の環境アート作品を生み出したことで知られる芸術家の故クリスト(ブルガリア出身、1935-2020)とジャンヌ=クロード(モロッコ出身、1935-2009)夫妻。二人が1961年以来構想を重ね続けたパリの歴史的建造物「凱旋門」を布で梱包するという作品が、没後遂に実現した。9月18日から10月3日までの16日間誰でも見学ができる。現在凱旋門は一時的に巨大なアート作品に様変わりし、街ゆく人々に新鮮な表情と驚きを与え、新たな景色に立ち止まり写真を撮るパリ人が続出中だ。
二人はこれまでにもオーストラリアの高さ15メートル、長さ2キロメートルに及ぶ海岸を丸ごと梱包した「海岸の梱包」(1969)、パリ・セーヌ河のポン・ヌフ橋を包み込んだ「梱包されたポン・ヌフ」(1985)、ベルリンの「梱包されたライヒスターク(帝国議会議事堂)」(1995)など、巨大な梱包アートプロジェクトを多く生み出してきた。
凱旋門を梱包する計画自体は1961年に始まり、翌年には最初の合成写真によるモンタージュが組まれ、88年にはほぼ現在の形に近いコラージュが完成している。本プロジェクトが本格的に始動したのは2017年で、パリのポンピドゥーセンターで2020年に行われた「クリスト&ジャンヌ=クロード回顧展」と並行して開催する予定であった。しかし残念ながらクリストは20年に他界し、彼の遺志を受け継ぎ、生前残した設計プランをもとに、パリ市とフランス文化財センター(CNN)との共同プロジェクトが進行された。
そして21年の今年、壮大なプロジェクトがついに実行に移された。
取材・文 須山佳子
須山佳子
すやま けいこ marie claireパリ特派員。東京生まれ、パリ在住20年。大学を卒業後パリに渡り、INSTITUT FRANCAIS DE LA MODEでファッション経営のMBAを取得。ファッション界で働いた後、日本の美容とライフスタイルブランドを欧州市場へ紹介するコンサルティング会社と、ECサイトhttp://www.bijo.parisを立ち上げる。高級デパート「 ル・ボンマルシェ」に定期的に招待され、年に数回ポップアップを開催している。公式Instagram:http://@keikosuyama_paris
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