長刀鉾にはお稚児さんが乗っています
7月に入り、小暑を迎えました。いま京都では、一大イベントである祇園祭が2年ぶりに開催されています。千年以上の伝統を誇るこの神事を、京都は洛北、紫野にある町家宿「karigane(かりがね)」を夫とともに営む下岡莉香さんがご案内。疫病退散を願って、ぜひ出かけてみては?
京都でも梅雨があけ、いよいよ夏本番の暑さとなってまいりました。
2年にわたり中止を余儀なくされていた祇園祭が、今年ついに開催されました。
祇園祭とは、7月まるまる1ヵ月にわたり、邪気や疫病を祓うため千年を超えて京都でとり行われてきた神事です。今回は、数ある祇園祭の神事の中でも、観光旅行者でも楽しみやすいものを、スケジュールにそってご紹介したいと思います。
【14~16日 前祭(さきまつり) 宵山】
緞通(タペストリー)と提灯で飾られた豪華絢爛な山鉾が京都の街に立ち並び、夜にはコンチキチンのお囃子が響きわたる──。おそらく多くの人が「祇園祭」と聞いて思い浮かべるのは、前祭の宵山(前夜祭)のイメージではないでしょうか。
とくに14日の夜を宵々々山、15日の夜を宵々山、16日の夜を宵山と呼び分け、日が進むにつれて盛り上がっていきます。16日のほうが賑やかで、屋台もたくさん並びますが、厄除け粽(お守り)をぜひ買いたい! という方は、14日がおすすめです。
【17日 前祭 山鉾巡行と神幸祭】
祇園祭が始まって最初のクライマックスが17日です。日中には、巨大な山鉾とともに京都の町衆が街をねりあるく、山鉾巡行がとり行われます。山鉾巡行には、神様が町衆の生活を見守るため、邪気を払うため、といった意味があるそうです。

夜になると、スサノオノミコトという神様(祇園祭の主役とイメージしてください)の乗ったお神輿が八坂神社から担ぎ出され、街をめぐります(神幸祭)。賑やかな宵山とはまた別の趣があり、「長い歴史の中で、多くの人々が平和な暮らしを願い祈り、祇園祭に託してきたんだな」と実感させられます。

【21~23日 後祭(あとまつり) 宵山】
八坂神社からスサノオノミコトがお神輿に乗って街にくりだすための神事を前祭だとすると、スサノオノミコトが再び八坂神社へ帰るのが後祭、というイメージです。その宵山(前夜祭)が21~23日にとり行われます。
じつは後祭、1966年から2014年まで中断していました。そのため前祭よりも知名度が低いらしく、街もいくらか静かな印象です。ゆったりと楽しめるという点では、後祭のほうがおすすめです。

【24日 後祭 山鉾巡行 還幸祭】
祇園祭における2度目のクライマックスが24日です。日中には、前祭と同じく山鉾巡行がとり行われます。本来であればこのタイミングで、子供神輿や芸妓さんが乗った曳き車の行列が八坂神社へとむかう「花傘巡行」も見られるのですが、残念ながら2022年は中止とのこと。花傘巡行も2023年には復活されることを願います。
そして24日の夜には還幸祭、スサノオノミコトがふたたびお神輿に乗って、八坂神社へと帰られます。
24日以後にも神事は続きますが、還幸祭が終わると「ああ、いよいよ今年の祇園祭も終わっていくな」という寂しさがこみ上げてきます。

今回は紹介しきれませんでしたが、「鉾立」や「神輿洗い」といった通好みの神事が、祇園祭にはたくさんあります。これを機会に、ぜひ京都旅行へお出ましくださいませ。
撮影・構成:下岡広志郎
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下岡莉香