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暑い日に食べたい!キーンと冷たいうめぞの茶房の「志るこ氷」と「かざり羹」【町家宿おかみの、たびする京都くらす京都。】
2021.7.22 / marie claire
京都・洛北、紫野にある町家宿「karigane(かりがね)」。昭和初期に建てられた京町家をリノベーション、町家のたたずまいはそのままに、細部までこだわった内装で訪れた人を温かく迎え入れる。2017年の開業以来、和の情緒を満喫できる宿として人気だ。そんな「karigane」を夫とともに営む下岡莉香さんが、四季折々の京都の表情をスケッチします
大人も嬉しいかき氷
皆さまこんにちは、karigane おかみの下岡です。
今年の祇園祭は、技術伝承のために山鉾立は行われるそうですが、巡行やお神輿はなし。去年につづき、今年も規模縮小となりました。元来、祇園祭は疫病退散を祈願するためのもの。仕方がないとはいえ残念なことです。
今年は鉾建てのみとなった祇園祭。しかし音を聞き、鉾を見るだけでも京都の夏を感じることができます
こんな時は、キーンと冷たい氷菓を食べて憂さ晴らしをしたいところです。
私たちのおすすめは、大徳寺から南へ 400 メートルほどのところにある「うめぞの茶房」さんの、「志るこ氷」と「かざり羹」のセット。
志るこ氷は、一言でいうと「大人も嬉しいかき氷」。時期によってお味は異なりますが、盛夏になると登場する「新しょうが蜜と桃の志るこ氷」が私たちのお気に入りです。氷の上に、どっさりのったあまい桃と、ピリッとからいしょうが蜜。氷の下には、こしあんと白玉団子が隠れています。最後に桃の果汁、しょうが蜜、氷水に溶けこんだこしあんが混然一体となった冷たいお志るこをすすって、身も心もひんやりすっきり。
キーンと冷たい氷とピリ辛でポカポカするしょうが蜜の競演も見事です
かざり羹は、一見すると季節のフルーツやクリームがのった「羊羹アラモード」。しかし一口食べると、羊羹とは違うもっちりとした食感に驚かされます。普通の羊羹は小豆と砂糖と寒天で作られますが、かざり羹はそこにわらび粉が加わり、独特の食べ心地となっているのだそうです。
志るこ氷もかざり羹も、あんこという和菓子の定番食材と、フレッシュな季節のフルーツが調和する、こちらでしか食べられないお品です。
お店の外観は茶房らしい京町家、しかし店内は床板の上にレトロなテーブルと椅子がならびます。こちらで提供されているお菓子と同様に、和と洋の雰囲気が融合した居心地のいい空間です。夏の日差しに火照った体をじんわり冷やすのに最適となっています。
京町家らしい格子に、真っ白な暖簾が目印です
明るく居心地のよい店内
定番に加え、季節限定のかざり羹も。いろいろな種類を試したくなります
うめぞの茶房さんより歩いて 5 分のところにある建勲(たけいさお)神社は、戦国時代の大名である織田信⾧公を祀る神社です。本殿は小高い丘の上にあり、京都の街を一望できます。大混乱の戦国時代をおさめ、京都に秩序と平和を取り戻した信⾧公。そのご偉力をもって、疫病の退散もお願いしたいですね。
見晴らしの良い建勲神社。正式名は〈たけいさお〉神社ですが、「けんくんさん」と言う人が多く、バス停も「けんくん神社前」
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