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英国のハイグレードな香水ブランド「PERFUMER H」がパリ上陸後、早くも話題に!

©Shigeta Eiko

イギリスを代表する調香師リン・ハリスが2015年にロンドンでスタートした「PERFUMER H(パフューマー・H)」は、厳選した天然素材によるシンプルかつ独創的なクリエイションで多くのファンを持つフレグランスブランドだ。そのパリ1号店が5月末、流行の発信地でもあるマレ地区にオープンした。

香りのテーマは「自然」

「Perfumer H」の店内

リン・ハリス(Lyn Harris)はパリと南仏・グラースで調香の勉強と実務を重ね、その後英国香水ブランドとして有名な「ミラー・ハリス」を創立した人物でもある。その彼女が8年前にロンドン・メリルボーンに「PERFUMER H」のショップ兼工房を構えた時は、彼女自身が調香する現場を店頭で見せる独自のスタイルと、ガラス職人マイケル・ルーによる手吹きガラスの美しいボトル、そして香水とキャンドルをレフィルとしても販売する革新的なアイディアが多くの人々を驚かせた。

「Perfumer H」を立ち上げた調香師のリン・ハリス(Lyn Harris)

今回のパリ店のオープンに合わせて彼女の代表的な50種の香り(香水・キャンドル・お香として展開)と25種のルームフレグランスとともに、新たにハンドソープやお茶、マーマレードやジャム、胡椒やオリーブオイルなど食のアイテムも充実させている。

こだわりの茶葉をブレンドしたお茶、ハチミツやマーマレードなどが並ぶ棚 ©Shigeta Eiko

「PERFUMER H」の香りはすべて自然がテーマとなり、その景色や草木の生き生きとしたイメージが目に浮かぶような詩的で優しいノートが多い。例えば「INK(インク)」は湿気を帯びたインクとウッディーノートのブレンドといいうイメージから、インドのパピルス、ハイチ産のベチバー、シダーウッドとイラン産のエレミとローズを融合した個性的で爽やかな香りだ。「RAIN WOOD(レインウッド)」は雨上がりの湿った木の香りを、ガルバナムとエレミ、胡椒とミルラのミドルノート、そして湿気を帯びたジェニパーと杉の木材にパチョリの葉を添えて表現している。

ずらりと並べられた香りの数々 ©Shigeta Eiko

またお香は京都ですべて作られ、イギリス・ランカシャー産のソープ、バルカン半島で厳選されたポプリ用の苔、さらに日本のArts & Sciencesとコラボレーションをした調香師用のジャケットなど、世界中のコラボレーター達と共同で作るアイテムも素晴らしい。

お香やマッチ、オイルなどのアイテムも並ぶ @Shigeta Eiko

店内はオーク素材の美しい棚がレイアウトされ、奥には手吹きガラスのアートコレクションが並んでおり、見ているだけで美的センスが養われるようだ。半年後には「Perfumer H レフィルステーション」というコーナーが開設されて、ロンドンと同様、購入したキャンドルの瓶を持っていくと半額で次のキャンドルを詰め替えてもらえるサービスも開始するという。

窓辺に並ぶ手吹きボトル @Shigeta Eiko

リン・ハリスの妥協なき香りのクリエイションと、職人技が生み出す一点もののガラス。さらには、食やライフスタイルプロダクトも充実した「PERFUMER H」の世界は、早くも香り好きのパリジャン・パリジェンヌ達の心をつかんでいる。

text by Keiko Suyama

【PERFUMER H】 64 Rue Vielle du Temple 75003 Paris
https://www.perfumerh.com



※日本ではARTS&SCIENCEで取り扱いあり。https://arts-science.com/note/perfumerh4/

Profile

須山佳子

すやま けいこ marie claireパリ特派員。東京生まれ、パリ在住20年。大学を卒業後パリに渡り、INSTITUT FRANCAIS DE LA MODEでファッション経営のMBAを取得。ファッション界で働いた後、日本の美容とライフスタイルブランドを欧州市場へ紹介するコンサルティング会社と、ECサイトhttp://www.bijo.parisを立ち上げる。老舗百貨店「ル・ボンマルシェ」に定期的に招待されPop-upを企画し、2021年末に常設コーナー「Bijo;」をオープン。 公式Instagram:https://www.instagram.com/keikosuyama_paris/

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