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【星のやを唎く】日本ならではのリゾート体験の現在形。その原点を「星のや軽井沢」で体感する

星野リゾート原点の地に、2005年に開業した「星のや軽井沢」。1世紀を超す避暑地としての洗練と、非日常を演出する創意が融合し、圧巻のリゾート体験へゲストをいざなう。四季が色濃く反映し、「谷の集落に滞在する」感覚。そんな寛ぎのひとときをあなたにも。

「浅間嶺にけぶり立つ見つ/からまつのまたそのうへに」。「落葉松」という詩で北原白秋がそう記したように、浅間山を仰いでカラマツの林が車窓から見えてくると、軽井沢とは縁もゆかりもないのに「戻ってきた」という気がする。落葉樹のカラマツは、四季に応じて色合いが変わる。初夏のこの季節なら、やや黄色みがかった優しい緑に彩られる。

浅間山の麓に広がる星のや軽井沢

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高原特有の清々しさに包まれる

東京から北西へ直線距離で約130キロ、JR北陸新幹線で約70分しか離れていないのに、軽井沢には東京と全く異なる静穏な空気と時間が流れている。駅からタクシーに乗って約15分。カラマツの林を文字通り「縫うように」走って「星のや軽井沢」に着いた。標高約1,000メートル。野鳥が銘々さえずり、高原特有の清々しさに包まれた。

夜になると、施設は昼とは違う、しっとりと落ち着いた雰囲気に

オープンは17年前。ただし、前身となる星野温泉旅館は1914年に開業している。周囲の環境と調和した施設運営を心がけてきた。そこに内村鑑三、島崎藤村、北原白秋、そして与謝野寛・晶子といった文化人が集い、サロンを形成した。「日本野鳥の会」を創設した中西悟堂もその一人。多種多様な野鳥が生息する場として、旅館に隣接する国有林の保護を呼びかけ、74年に全国初となる国設の野鳥の森に指定された。

棚田を思わせるランドスケープに癒やされる

「谷の集落に滞在する」というコンセプト

ここが、国内外で57施設(2022年4月22日現在)を運営する「星野リゾート」の原点と言ってもいいだろう。「圧倒的非日常」を提供する「星のや」ブランド第1号として開業した「星のや軽井沢」も当然、そのDNAを引き継いでいる。例えば、地形をそのまま活かし、「谷の集落に滞在する」というコンセプトを基にした景観。湯川から引いた豊かな水を湛え、石垣が段々に築かれたランドスケープは棚田を思わせる。

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東京ドーム1個分の広さの敷地に「水波」「山路地」「庭路地」の3タイプの客室計77室が点在し、各部屋のテラスから、四季や時間に応じて刻々と変化する修景を望むことができる。

水波の部屋
山路地の部屋
庭路地の部屋

笑顔で味わう寛ぎの日本料理

メインダイニングの「日本料理 嘉助」で供される夕食も滞在では欠かせない「アクティビティ」の一つ。「山の懐石」と称し、地場の食材をふんだんに使っているのが特徴だ。その主眼は「笑味寛閑(えみかんかん)」。笑顔で味わう寛ぎの長閑な料理という意味で、季節に応じて2か月単位でメニューが変わる。先附から焼物まで料理に合わせた日本酒のペアリングも楽しめる。朝食も「山の朝食」と題し、数種類の野菜を丸ごと用いて仕立てた出汁を使った優しい味わいの膳を提供している。

段状になった客席が特徴の「日本料理 嘉助」。宿泊と食事を分けた「泊食分離」のスタイルをとっており、宿泊客は他の施設でも食事を自由に楽しめる
体に優しい「山の朝食」

水上の特別席で味わう華やかな朝食

また、6月15日まで1日1組限定で、水上の特別席で花を楽しむ朝食プログラム「プライベート花朝食」も実施されている。軽井沢の町木であるコブシの花を使用した豆腐や、サクラソウを模した手毬寿司などを優雅な雰囲気で味わえる。食後には「花茶」を用意。軽井沢ならではの花の多彩な魅力を、趣向を凝らした朝食を通して満喫できる。

水上の特別席で1日1組限定の優雅な朝食を楽しむこともできる
見た目も色鮮やかな「プライベート花朝食」

温泉とスパで心身を鎮める

源泉掛け流しの温泉もここならでは。宿泊客専用のメディテイションバスは39度から40度とぬるめの温泉が特徴で、光と闇の浴室を行き来しながら瞑想に浸れる。専用の施設でのスパも充実。「調身・調息・調心」をテーマに、オイルトリートメントや指圧などが体験できる1時間程度の多彩なメニューもそろっている。

幻想的な雰囲気の中で、心と体を鎮められるメディテーションバス
水辺に面した専用の施設で施術を受けられる「星のやスパ」

実はそれだけに留まらない。「星のや軽井沢」は広大な軽井沢星野エリアの一部で、ほかにもフレンチの「ブレストンコート ユカワタン」や個性的なショップや飲食店の集まった「ハルニレテラス」、日帰り温泉の「星野温泉 トンボの湯」、そしてネイチャーツアーを実施する「ピッキオ」など、宿泊客以外も利用できる施設が数多くある。

ハルニレテラスは宿泊者以外も訪れる軽井沢の観光スポット
「星野温泉 トンボの湯」は「美肌の湯」としても知られる

「もう一つの日本」へ旅立つ感覚を楽しむ

それらを回って十分に堪能するつもりなら1泊ではとても足りない。実際、「別荘を維持管理するより割安だから」と、週単位で長期滞在する常連客もいるのだとか。

避暑地として130年余りの歴史を重ねてきた軽井沢。この地で時間をかけて培われてきた日本ならではのリゾート体験の到達点が、「星のや軽井沢」にはある。日常を一時離れ、「もう一つの日本」へ旅立つ感覚で、一期一会のホスピタリティを体感したい。

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お問い合わせ先

「プライベート花朝食」概要
■期間:~6月15日(除外日あり)
■料金:1名10,890円(税・サービス料込)*宿泊料別
■含まれるもの:花朝食、花茶
■時間:7:00~9:00
■定員:1日1組(2名限定)
■予約:公式サイト(https://hoshinoya.com/karuizawa/)にて10日前24:00までに予約
■対象:星のや軽井沢宿泊者
■備考:雨天時は提供内容に一部変更となります。仕入れ状況により料理内容や食材が一部変更になる場合があります。


星のや軽井沢
■所在地 :〒389-0194 長野県軽井沢町星野
■電話 :0570-073-066(星のや総合予約)
■客室数 :77 室・チェックイン:15:00/チェックアウト:12:00
■料金 :1 泊 112,000 円~(1室あたり、税・サービス料込、食事別)
■アクセス:JR 軽井沢駅より車で約15 分(送迎バスあり<無料>)、碓氷軽井沢 IC より車で約 25 分
■開業日:2005年7月20日
■URL:https://hoshinoya.com/karuizawa/

関連情報

Profile

高橋直彦

『マリ・クレール』副編集長。軽井沢には学生のときから数え切れないほど訪れている。個人的に別荘とは無縁だが、なぜだか別荘(山小屋?)を持っている知人が多く、大概は居候を決め込み、食材を地元スーパーの「ツルヤ」で調達し、安上がりに過ごすことが多かった。一方で、今回の滞在を通して洗練された宿泊施設や飲食店が軽井沢にあることを知り、「港区軽井沢」とも呼ばれるラグジュアリーな避暑地の一面を再認識した。この夏は密かに「居候」避暑を卒業したいと思っているのだが……。たぶん無理!

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