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人気アイシングクッキー作家が大事にする「みんなの笑顔」。基本レシピも公開 

少し時間に余裕ができた時、ふと自分で何かを作りたいと思ってみたり良質なハンドメイドの作品に心がひかれたりしませんか。日常の暮らしの中で手作りの楽しさに気づくハンドメイドストーリーを紹介します。アイシングクッキー作家の石川安里さんに「イースター」のアイシングクッキーを作っていただきながら、とっておきのストーリーを語ってもらいました。

ぷっくりとした可愛らしさにワクワク

「イースター」や「ハロウィン」、結婚や出産のお祝い、記念日のプレゼントなどで人気のアイシングクッキー。ぷっくりとしたクリームが作り出すアイシングクッキーならではの可愛らしさやカラフルな色合いにワクワクします。アイシングクッキー作家の石川安里さんは、「アイシングは独学ですが、娘のお友達のお母さんたちがほめてくれて、うれしくて作るようになりました」と語ります。

アイシングクッキーは、砂糖と卵白で作った衣でクッキーの表面を飾り付けます。アイシングクッキーを作り始めたきっかけや思い出など石川さんのハンドメイドストーリーとともに、アイシングクッキーを初めて作る人、これから作ってみたいと思っている人へのアドバイスも紹介します。

子どものころからお菓子作りが大好きで、専門学校でお菓子作りを学び、パティシエの道に進みました。お菓子作りに興味を持ったのは、同じパティシエの姉の影響が大きいです。物心ついたころから姉がお菓子を作るのを横で見ていて真似をしていました。今もクリスマスの前には、姉の工房で一緒にシュトーレンを焼いています。

娘の顔とメッセージを描いたのが始まり

初めてアイシングクッキーを作ったのは、10年ほど前の娘の「お食い初め」の時です。親族に祝ってもらい、「特別なものをお返ししたいな」と思い、娘の顔とメッセージを描いたクッキーを作りました。その時にとても喜ばれ、さらに娘のお友達のお母さんたちのリクエストに応えていろいろなデザインのアイシングクッキーを作るようになりました。

アイシングクッキーは、色を無限に作れることも魅力の一つです。今までお菓子に使わなかったグレーやカーキー色など大人っぽいデザインに仕上げることもできれば、赤ちゃん向けに白やピンク色などを使ったフワフワした可愛らしい作品もできます。食べ物だけれども、思い描いたものを無限に表現できるのはとても楽しいですね。大人の女性向けに言えば、ネイルにも通じるものがあります。私自身、目に留まったネイルの柄も参考にしています。お菓子のパッケージのデザインも気を付けて見ています。日常の中にもいろいろな所にデザインが転がっていて、それをクッキーに落とし込んでいくところにも興味が尽きないすね。

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自由に作って可愛く仕上がるのが魅力

絵は得意ではなくても、アイシングは描けますよ。思い思いに自由に作っても可愛く仕上がるのがアイシングクッキーだと思います。クリームがぷっくりしているのでそれだけでとても可愛いです。またお子さんたちと一緒に作ると教えてもらうことも多いですね。子どもたちが思い思いに作る色の組み合わせに発見があります。アイシングクッキーは、「コルネ」を使ってクリームを絞りながら作りますが、コルネがあるとパンケーキやパンなどに絵を描くなど、ちょっとした日常の暮らしでも食卓が華やかになりますよ。

お絵描き×手仕事の楽しさ

今回は石川さんに実際にお手本を作っていただきながら、アイシングクッキーづくりを体験しました(写真は石川さんのお手本)。ハート型クッキーにドット柄を描いたり、ウサギをモチーフにしたデザインにクリームを塗ったりすることなどに挑戦しました。

石川さんのお手本、手の動きに合わせてぷっくりとしたクリームをコルネから絞り出しながらクッキーに塗りました。コルネからクリームを絞って描く際には、「浮かせて伸ばす」という感覚がわかってくると楽しくなります。ドットの間隔に戸惑い、なかなか線を上手に引けない箇所もありましたが、石川さんに上手く修正してもらいました。

「イースター」に合わせて、イースターエッグをはじめニンジンやウサギを作りました。「イースター」の日、クッキーウサギがひょっこり草むらから顔を出しそうです。

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初めて作る人に向けてのアドバイス

石川さんに初めてアイシングクッキーを作る人に向けたアドバイスをいただきました。

★色付けに使う食用色素は粉のタイプが多いですが、色の濃さの調整が簡単なアイシングジェルも重宝しています。混ぜる時もムラになりにくいです。色は赤、青、黄色の信号機の3色と黒があれば、いろいろな色を作ることができます。個人的には、色の調整ができるので白色も気に入っています。

★アイシングでは、最初に固いクリームで土手を作り、中に柔らかいクリームを流すという基本作業を行います。ただ、初めてアイシングをする人にとっては、固いクリームを絞るのは難しいため今回は、柔らかいクリームを使いました。アイシングの固さや柔らかさの調節は水で行います。乾燥しやすい冬は水分を多めに入れるなど気候にも合わせます。

★最初は市販のクッキーやビスケットを使ってアイシングを楽しむのもよいでしょう。コルネで思った通りにクリームを絞れるようになってくると、途端に上手になります。動物のモチーフは、あえて線をもじゃもじゃにしたりラフに書いたりしてもかわいいですよ。

石川さんに教えていただいたレシピ

 クッキー生地  クッキー約25枚分(厚さ5㎜、縦横6cm)

 バター(無塩) 100g(室温に戻しておく)
 砂糖      70g
 卵(M)    1個(室温に戻しておく) 
 バニラオイル  お好みで
 薄力粉     240g

 ①バターに砂糖を加えホイッパーで混ぜる(白っぽくなるくらいまで)
 ②卵を2、3回に分け加える
 ③バニラオイルを加える
 ④ふるった薄力粉を加えゴムベラで合わせる。仕上げに少し手でこねる
 ⑤ラップに包み冷蔵庫で2時間以上休ませる
 ⑥4~5㎜の厚さにのばし、型で抜く(生地が柔らかくなったら冷蔵庫で冷やす)
 ⑦オーブン(170度)で15分ほど焼く

 アイシングクリーム クッキー約15枚分(厚さ5㎜、縦横6cm)

 粉糖(粉砂糖)200g
 卵白 Mサイズ1個分(または乾燥卵白小さじ1+水25ml)
 レモン汁 5ml

 ① 粉糖に卵白を加えゴムベラで混ぜる。卵白は少しずつ加え固さを調節する。
   固ければ水、柔らかければ分量外の粉糖を加える。
 ② 好みの色素を加えパレットナイフでこすりつけるようによく練る
  目安:ゆるめ 3~6秒ほどで線がなじむ(べたぬり)  
    :かため ツノがお辞儀をする(アウトライン、パーツ、文字など)
    :超かため ツノがぴんと立つ(花、葉模様など))

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石川安里さん/アイシングクッキー作家

写真・萩本朋子  文・正本恭子

【ハンドメイドSTORY】ハンドメイドの温かさは、心にもぬくもりを届けてくれます。ハンドメイドストーリーでは上質なハンドメイド作品とともに手作りにまつわるストーリーを綴ります。

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