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今からでも間に合う、京都で楽しむ遅咲きの桜3選【町家宿おかみの、たびする京都くらす京都。】

京都・三千院の桜

京都・洛北、紫野にある町家宿「karigane(かりがね)」を夫とともに営む下岡莉香さんが、地元ならではの旬な京都をご紹介。桜の盛りも過ぎたと思いきや、京都にはこれから見頃を迎える桜の名所もあるのだそう。お花見のタイミングを逃した人はぜひチェックして。

まだまだ見られる京都の桜

いよいよ4月、清明となりました。京都は春まっさかりです。
「今年は京都の桜を見に行きたかったけど、今から計画を立てているようじゃ遅いかな」なんて方におすすめしたい、ちょっと遅めの京都の桜をご紹介します。

【仁和寺の御室桜】

仁和寺は9世紀末に建てられたお寺で、天皇や皇族が門跡(住職)を務める格式高い「門跡寺院」の代表格です。また、高貴な方が住まいされるお寺であることから、敬意を込めて古くから「御室(おむろ)」と呼ばれています。

そんな仁和寺の境内でご覧いただけるのが、「御室桜」。ソメイヨシノより1週間ほど遅れて見頃となります。

御室桜は背が低いのが特徴です。なんでも、仁和寺境内の土壌の関係で、背が高くならないんだとか。しかしそれが幸いし、人の目線の高さで桜の花が咲き乱れるため、迫力満点の桜を楽しめます。

また、背の低い御室桜の向こう側に、五重塔など仏教建築をご覧いただけるのも、仁和寺で桜を愛でる醍醐味のひとつです。

【原谷苑の桜】

京都がお好きならば、ぜひとも一度は訪れておきたい桜の名所が、原谷苑です。

原谷苑は、金閣寺や仁和寺の裏山にある「原谷」と呼ばれるエリアにあります。こちらは遥かむかし、落ち武者や夜盗が住まうような不毛の地とされていたようです。それを、太平洋戦争から帰還した兵士たちが開拓し、桜の名所にまでしたとの逸話があります。

原谷苑では、頭上にシダレザクラ、足元にはユキヤナギやヤマブキといった春の花が咲き乱れ、まさしく花の楽園です。しかし、この楽園が生まれるまでの、まるでドキュメンタリー映画のようなストーリを知っていれば、咲き乱れる花々がよりいっそう美しく感じられるのではないでしょうか。

【大原の桜】

京都の市街でそろそろ桜が散り始めるというころに、山間部ではちょうど桜が見頃となります。

京都北東部の大原は、貴族文化の風雅と山里ののどかさを併せ持つ、いわば京都の奥座敷。今も昔も、都会の喧騒から逃れて美味しい空気を味わおうと、人々が訪れます。

大原では、三千院や寂光院が観光の中心となります。二つのお寺は少し離れていますが、お散歩するのにちょうどいい距離です。川のせせらぎの音を聞きながら歩き、清らかな空気をいっぱい吸えば、身も心も癒されます。

ぜひ皆さまも、京都の桜を見にお越しください。

撮影・構成:下岡広志郎

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Profile

下岡莉香

しもおかりか 大阪府出身。奈良女子大学卒業後、繊維商社で生地輸出を担当。より活躍できる場を求めて退社後、夫婦で1年5ヵ月44ヵ国世界一周の旅へ。日本文化の奥深さに目覚め、町家一棟貸しの宿kariganeを開業。一児の母。
karigane公式HP:https://rokushou.net/karigane/
Instagram:https://www.instagram.com/karigane.kyoto/?hl=ja

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