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桜シーズン到来を告げる京都の桜3選【町家宿おかみの、たびする京都くらす京都。】

京都・洛北、紫野にある町家宿「karigane(かりがね)」を夫とともに営む下岡莉香さんが、地元ならではの旬な京都をご紹介。まだ寒さは残っているものの「啓蟄」と聞けば、いよいよ春です。桜の季節も始まります。

京都御所の桜

いち早く桜を見るならここ!

いよいよ 3 月、啓蟄の候となりました。
今年こそは京都で桜を楽しみたい! とお考えの方もおられると思います。
とはいえ、まだまだ混雑は避けたいですよね。

そこで今回は、ちょっと早めに咲く京都の桜をご紹介します。
皆さまの「ずらし旅」のご参考になりましたら幸いです。

一条戻橋の河津桜

桜といえば一般的にソメイヨシノを指しますが、シダレザクラやヤエザクラなど、さまざまな品種があります。なかでもカワヅザクラは早咲きの品種として知られ、近畿では平均的な気候であれば 3 月初旬に見頃となります。

京都では特に、一条戻橋のカワヅザクラが有名です。一条戻橋は、京都遷都の頃からある古い橋で、死者がよみがえった、鬼が出没した、などのさまざまな伝説があります。

一条戻橋のカワヅザクラは、堀川通という南北の目抜き通りからも見える位置にあります。京都に住まいしておりますと、この桜を横目に見ながら「今年も春が来たな」と実感するものです。

平野神社の魁桜

平野神社は、古来より皇太子や臣籍降下した皇族の守護神として栄えた神社です。かつて一族の繁栄を願う貴族から桜が奉納されたそうで、夜桜や花見の名所として今なお有名です。

平野神社の東門前にあるシダレザクラは早咲きで、特に「魁桜(サキガケザクラ)」と呼ばれています。

魁桜は、3 月中旬には見頃を迎えます。狙い目は早朝。桜が好きな地元の方々がちらほらと様子を見に来る程度なので、静寂の中で桜を愛でることができます。

京都御苑・旧近衛邸の糸桜

古くは藤原家に通じる名門貴族「近衛氏」の邸宅跡が、京都御苑の北西角にあります。近衛邸の糸桜といえば古くから有名だったようで、幕末期の天皇が「目が離せないほど美しい」と褒める和歌も残っているようです。

旧近衛邸は現在、市民公園として一般公開されています。こちらのシダレザクラも早咲きで、「旧近衛邸跡の糸桜」として今なお多くの人に愛されています。見頃は 3 月下旬。 糸桜が咲くころには気候も暖かくなってきて、京都にも春本番が訪れます。

撮影・構成:下岡広志郎

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Profile

下岡莉香

しもおかりか 大阪府出身。奈良女子大学卒業後、繊維商社で生地輸出を担当。より活躍できる場を求めて退社後、夫婦で1年5ヵ月44ヵ国世界一周の旅へ。日本文化の奥深さに目覚め、町家一棟貸しの宿kariganeを開業。一児の母。
karigane公式HP:https://rokushou.net/karigane/
Instagram:https://www.instagram.com/karigane.kyoto/?hl=ja

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