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'2019 年に撮影した平野屋さんの店頭と紅葉の様子'

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2019 年に撮影した平野屋さんの店頭と紅葉の様子

京都嵐山の紅葉の穴場で、老舗「平野屋」の名物を味わう【町家宿おかみの、たびする京都くらす京都。】

京都・洛北、紫野にある町家宿「karigane(かりがね)」。昭和初期に建てられた京町家をリノベーション、和の情緒を満喫できるとして人気の宿を夫とともに営む下岡莉香さんが、四季折々の京都の表情をスケッチします。今回は、京都の紅葉を満喫するとっておき情報をお届け!

立冬。“嵐山の奥座敷”奥嵯峨鳥居本へ

皆さまこんにちは、karigane の下岡です。立冬の候、そろそろ冬支度が始まる季節です。

京都では、いよいよ紅葉が見頃となってきました。紅葉の名所はたくさんありますが、なかでも嵐山は人気。トロッコ列車や保津川下り、人力車といったアトラクションが豊富で、家族連れの観光客や修学旅行の学生さんで賑わいます。

karigane にご宿泊のお客様からは、「嵐山で、静かに紅葉を楽しめる穴場はありませんか」とのご相談を受けることがあります。その際にご案内いたしますのが、奥嵯峨鳥居本(おくさがとりいもと)です。

愛宕街道に立ち並ぶ古民家

こちらへは嵐山から徒歩で散策されるのがおすすめです。有名な竹林の道を抜け、紅葉の名所である常寂光寺や二尊院、苔と紅葉の組み合わせの美しい祇王寺を更に進めば、伝統的な古民家が立ち並ぶ風光明媚な街道にたどり着きます。この地は火除けの神様として知られる愛宕神社への参道の門前町。嵐山の喧騒がまるで嘘のような静寂と美しさです。

茶店もいくつかございます。今回ご紹介するのは、1600 年ごろに創業されたという平野屋さん。苔むした茅葺屋根が、いかにも老舗といった風格です。

行燈に照らされた店内はまるでタイムスリップしたかのよう

平野屋さんの名物は「志んこ」、米粉を蒸して作ったお団子です。

「愛宕さん参拝が盛んやったころは、志んこを売る茶店がぎょうさんあったんですけど。愛宕山ゆう落語にも、志んこの歌が出てきます。でも今はもう、志んこを出してる店はウチだけになってしもたんどす」 と、平野屋14 代目の女将である井上典子(いのうえのりこ)さんはおっしゃいます。

名物「志んこ」。この黒糖の入ったきな粉が美味。きな粉を全部さらいたいというお客様の声にお応えして、椿の葉がスプーン代わりに添えられています

平野屋さんの志んこは、昔ながらの「おくどさん(かまど)」を使って蒸しあげられているそう。やはり遠赤外線の効果でしょうか、クロモジの楊枝で志んこをつつくと、その柔らかさに驚かされます。お味はニッキ(茶)と、プレーン(白)と、お茶(緑)。それに黒糖がたっぷり混ざったきな粉が添えられています。

また志んこには、独特の捻りが加えられています。これは、愛宕神社へと続く山道の九十九折れを表現しているのだそう。デザインだけでなく。舌触りや歯ごたえにも個性を生み、きな粉をより多くまとわせるという役割も果たしているのでしょう。

嵐電の嵐山駅より3 ㎞ほどのちょうどよい散歩コース。歩いてお腹が空いた方は「むしやしない(方言で軽食の意)」もぜひお試しください。秋の頃は鮎茶漬けがいただけます

嵐山の奥座敷ともいえる嵯峨野鳥居本で、ちょっと大人の京都旅を楽しまれてはいかがでしょうか。

奥嵯峨鳥居本には隠れた紅葉の名所、化野(あだしの)念仏寺や愛宕(おたぎ)念仏寺があります。写真は2019 年撮影の化野念仏寺

撮影・構成:下岡広志郎

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【あゆよろし 平野屋】
住所:京都府京都市右京区嵯峨鳥居本仙翁町16
電話番号:075-861-0359
定休日:無休
営業時間:11:30~21:00 ※喫茶営業時間:9:00~17:00 

Profile

下岡莉香

しもおかりか 大阪府出身。奈良女子大学卒業後、繊維商社で生地輸出を担当。より活躍できる場を求めて退社後、夫婦で1年5ヵ月44ヵ国世界一周の旅へ。日本文化の奥深さに目覚め、町家一棟貸しの宿kariganeを開業。一児の母。
karigane公式HP:https://rokushou.net/karigane/  Instagram:https://www.instagram.com/karigane.kyoto/?hl=ja

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