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【仏ミシュラン二つ星シェフの新店フレンチ】博多から世界へ発信する「時間を味わう料理」

いよいよメインへ。最初は「海の国」と名づけられた魚料理、マハタのロースト。長崎県・五島列島近海で特殊な神経締めを行う漁師から入手したマハタを1週間熟成して低温でじっくり火入れする。渡り蟹のアメリケーヌソースとブールブランソース、キャベツとアンチョビのピューレ、大分県名産のカボスのペーストをつけながら味の変化を楽しむ趣向だ。

口直しに「鮮度」という名前のグレープフルーツのグラニテが出てきたが、ここでびっくり。中にパチパチと弾ける飴(あめ)が入っていたのだ。中盤のサプライズが、肉料理へのエンディングを盛り上げる。

「テロワール」という名の肉料理は、フランス・ラカン産の仔鳩(こばと)のモモ肉のコンフィと胸肉のローストだ。備長炭の遠赤外線で火入れがされているのでジューシーさが残っている。付け合わせは、ジロール茸やジャガイモ、ニンジン、リンゴ、スモモのピューレ。鳩の内臓まで使った濃厚なサルミソースとフルーツの酸味のバランスが絶品だ。

シェフパティシエが仕上げる2種のデセールも、アートのようで最後まで楽しめる。1皿目の「小さな幸せ」は、シャインマスカットの輪切りを並べた上にヨーグルトアイスが載っている。ローズマリーが爽やかなアクセントとなっていた。

「白と黄色」という2皿目は、ドラマティックな一品。ホワイトチョコレートのドームに、温かいパッションフルーツソースをかけると、煙とともにココナツムースや洋ナシのコンポート、ミルクアイスが中から現れる。まるで玉手箱のような演出に、思わず歓声があがる。

食後のミニャルディーズも裏切らない。小さな3段のお重にマロンとカシスのガナッシュが詰まったチョコ、フランボワーズのロールケーキ、サブレでサンドしたマンゴーのパート・ド・フリュイが愛らしい姿で収まっている。ここで至福の味の旅は終幕。帰る頃には、みんな笑顔になっていた。

国内外のワインが用意され、食事に合わせたテイスティングメニューもある

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