安藤桃子が移住先の高知を案内【ASICS WALKING JOURNAL SPECIAL TALK/MOMOKO ANDO】
2024.10.18
2024.10.18
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「早速行ってみましょう」。そう言いながら川に向かう道を進むと、通りがかりの犬の散歩をしている女性から「あら! 安藤さんじゃない」と声が掛かる。天気のことや犬のことなど、しばらく話をしてから安藤さんが「お体に気をつけてねー」と別れを告げる。
「お知り合いですか?」と聞くと「全然(笑)。高知の人って、あんな感じでみなさん話しかけてくれるんです。あれ?知り合いだったかな、なんて思っちゃう(笑)! そのままその人のお宅で麦茶をいただいたり、野菜をいただいたり。こんなところが高知!って感じがしてたまらないんですよ」と笑う。
広い河原につくと、遠くに水遊びする人たちの姿が見える。人工的なものはほとんどなく、目の前にはゆったりと青く流れる水と濃い緑の山がこんもりと茂っている。
「ここいいでしょう? ここは、事務所で根を詰めて仕事して疲れたーってときに、来るんです。子どもや友達と一緒にコンビニでコーヒーや飲み物買って、車のトランクを川に向けて停めて。そのままトランクに腰掛けてこの雄大な景色を見てね。それだけで、もう最高に幸せです」




高知へ移住したのは2014年。安藤さんが書き下ろした小説『0.5ミリ』を映画化するにあたり高知に訪れ、移住を決心したという。
「仕事柄、日本中に行ったことがありましたが、47都道府県のなかで唯一来たことがなかったのが高知でした。映画の撮影地を探していたときに、原作を読んでいた父(俳優・映画監督・画家の奥田瑛二さん)が『この主人公がいるのは高知しかない』と勧めてくれたんです」
「それを聞いてすぐに予定を調整して、高知に行くことにしました。午前中に飛行機を降りるとすぐにここだ! と思いました。自然がパワフル、人があったかい。そして、海外に行ったときのような開放感を感じられて、でもなぜか懐かしさもあって……。特別な空気感が大好きになり、一瞬で移住を決意しました。最近は、高知から離れて戻ってくるとお母さんのおなかに帰ってきたような安心感があって、おかえりって出迎えてくれるような気がするんですよ」



映画監督 安藤 桃子/Momoko Ando
1982 年、東京都生まれ。高校時代よりイギリスに留学し、ロンドン大学芸術学部を卒業。その後、ニューヨークで映画作りを学び、助監督を経て 2010 年「カケラ」で監督・脚本デビュー。14 年に、自ら書き下ろした長編小説「0.5 ミリ」を映画化。同作で報知映画賞作品賞、毎日映画コンクール脚本賞、上海国際映画祭最優秀監督賞などを受賞し、国内外で高い評価を得る。
「0.5 ミリ」の撮影を機に高知県に移住。ミニシアター「キネマ M」の代表や、子どもたちの未来を考える異業種チーム「わっしょい!」を立ち上げる。現在、NPO 地球のこどものメンバーとして、全てのイノチに優しいをモットーに、子ども達との映画作りやアートなど、食育、自然、農を通じ、優しい地域の地場づくりを行なっている。21 年には、初のエッセイ集 「ぜんぶ愛。」を上梓。23 年 11 月、映画を通じて心と文化を伝える「キネマ ミュージアム」が高知市中心市街地にオープンするなど、多岐にわたり活動中。
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