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河村真木子のリアル人生相談 第7回:子供の英語学習はインフラ、義務教育を考える

悩み相談14:義務教育に疑心がわく

――みんなが同じじゃなきゃいけないといった日本の義務教育は大丈夫? それと先生の熱量の差が激しく、あたりはずれが多いと感じます。

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私も、みんなが同じじゃなきゃいけないという教育は、もう時代に合っていないと思います。もちろん昔はそこに利点があったのですが。今は差別化しないと生きていけない時代なのに、教育が差別化させてくれないという全く逆の状態になっていると感じています。

――日本の小中学校の教育とインターナショナルスクールの教育では、どんな違いがありますか?

聞くところによると、日本の教育は当時と今とでほぼ変わっていないようですね。一方、インターナショナルスクールで娘が受けた教育は、正反対といっていいくらい違いました。インターの教育は、グローバルスタンダードを基本とし、例をひとつ挙げるとすると、「生徒一人ひとりをもっと細かく見にいく教育」なのです。「みんな」ではなく「個」の要素が強いと感じました。

今でこそ日本もADHD (注意欠如・多動症)などの子供にも対応していこうという風潮にありますが、インターでは20年前から子供の個別性に配慮した教育環境が整っていて、子供向けの専門カウンセラーもいます。そして、1クラス20人くらいの少人数制です。

プリスクール(未就学児を対象に英語で保育を行う施設。一般的に3歳~5歳児が通う)もそうでした。日本の保育園は「は〜い、みなさーん!」と先生が声をあげるくらい、保育士1人に対してたくさんの園児を見ていますが(3歳児:子供20人につき保育士1人以上、4歳と5歳児:子供30人につき保育士1人以上)、日本の保育園に行っていた娘がインターナショナルプリスクールへ転園したら、先生1人に対して3人までというルールがあって驚きました。

日本にまだまだ根強く残る、「団体教育」とはまったく違うところですね。日本でも「みんな違ってみんないい」が流行語のようになってますが、実際のところは「みんな同じ」がまだまだ良しとされ、教育だけではなく、就活もさることながら、その後、社会人になってもまだまだそんな風潮が感じられます。

――例えば、算数はできるけど運動は苦手、またその逆であっても問題ないというのがインターでの教育なのでしょうか?

日本のような画一的な一斉競争がほぼない印象です。いろいろな能力を持っていることが、リスペクトされるんです。

私は子供の頃、足が速いことで人気者になったんですが、娘も足が速いのでどうなのかなと聞いてみたところ、「自分は足が速いかどうかわからない」と言うんです。インターの教育では、運動は「楽しみながら体を動かしましょう」となるため、日本のような競争がなかったんです。

以前、私のオンラインサロンのコラムに書いて盛り上がったのですが、私たちは小中学生の頃、みんなの前で跳び箱や走り高跳びなどをさせられたりして、それっていま思うとまるで公開処刑でしたよね。みんなの前で尻もちついたりでもしたら、もう二度とやりたくない、苦手意識ができてしまいます。リレーの選手以外は 「走るのが苦手」と思い込んでしまうように、画一的な一斉競争や公開処刑があるから「運動が苦手」になってしまい、自己肯定感も育ちにくいのではないでしょうか。

――インターにお子さんを通わせている親御さんから「英語はできるようになったけれど、学力は低くなった気がする」というお悩みもありました。実際にそれはあるのでしょうか?

5教科すべてを平均的な学力にするという点では、おそらく日本の教育の方が優れています。インターの場合は、平均的な学力はなんとなく低く、なおかつ遊んでいるようにも見えるのですが、それは平均値を上げようとしていないため。その子の得意なことを伸ばすことに、フォーカスされやすい環境になっているからです。

私自身も大学受験をアメリカでしたのですが、日本でいうセンター試験のような試験のSATを受けたとき、テストのレベルが日本よりも低いと思いました。つまり間口を広げて、そこから得意な科目を伸ばすという方針なので。そのため高校生までは日本のほうが平均的な学力は高いけれど、大学からはアメリカの大学の教育レベルに勝てないと言われていますね。

――先生の熱量が人によって違う場合は、親としてどんなことをしてあげたらいいと思いますか?

それは日本もインターも同じです。ある程度割り切り、多くを学校にBETせずに、子供が勉強嫌いにならないように、家族がフォローしてあげるのがいいのではないでしょうか。勉強が嫌いだと思い込んでしまうと、その後の挽回が難しくなりますし、本当はできないわけではないのに、もったいないですよね。

――今回募集したお悩みのなかには、子供が学校に居づらさを抱えている、不登校になっていて悩まれているという声もありました。そんなとき親は子供にどんなことができるのでしょうか?

心配なのはすごくわかります。でも、不登校になったからといって、それが全部自分(親)のせいだと考え、もう人生終わりだというふうに思う必要はまったくないと思います。今はオンラインスクールもありますし、あとはもう本当に環境を変えてあげることも、親が子供にできることです。

また、今の学校に固執する必要はないですし、転校や学校へ行かないというチョイスもあります。しばらく学校へは行かなくとも、復学や学び直しをして後から挽回はできます。「学校に行かせてもらってる」のではなく「親と本人が学校を選ぶ」時代になりつつありますので、もっとフレキシブルに考えてもいいのではないでしょうか。

photo: Tomoko Hagimoto 
hair & make-up: Naoki Saito(MAISON CINQ)
text: Tomoko Komiyama

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Profile

河村真木子(かわむら・まきこ)

1976年、奈良県生まれ。高校3年生の春にロサンゼルスの高校へ転入を決意。帰国後、関西学院大学に入学するも自主退学し、UCバークレー校に進学。卒業後は米系投資銀行に就職。2度の転職を経て、2021年8月にオンラインサロン「Holland Village Private Salon」の運営者となる。2022年10月には初の書籍『超フレキシブル人生論“当たり前”を手放せば人生はもっと豊かになる』を出版するなど多岐にわたり活躍。

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