注目のアイソメトリック・エクササイズで筋肉を鍛える4つの方法
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アイソメトリックエクササイズとは、関節の曲げ伸ばしなどを行わず、筋肉に力を入れる「静的な筋力トレーニング」のことだ。すでに実践している方も多いプランクや、壁で体を支えながら座ったような姿勢をキープするウォールシットといったエクササイズがよく知られている。自宅で手軽に出来るだけでなく、筋力をアップし、代謝を上げる効果的なエクササイズについて、マリ・クレール インターナショナルのイギリス版デジタル記事よりお届け。
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最近、アイソメトリック・エクササイズが血圧を下げる最良の方法であるという新しい研究が発表され、トレンドになっている。
それだけでなく、アイソメトリック・エクササイズは、身体の持久力、筋力、筋緊張を向上させる最も簡単な方法の一つであり、最高のホーム・ワークアウトの候補となる。
アイソメトリック・エクササイズはどんなものだろう? ウェートトレーニングなのか、HIIT(※編集部注:数分のあいだに複数の筋トレとインターバルを繰り返すトレーニング法)なのか、それとも有酸素運動なのか? それをはっきりさせよう。「アイソメトリック・エクササイズとは、静的な筋収縮のことで、静止した姿勢を一定時間保持することです」と、パーソナル・トレーナーのNicole Chapmanは言う。「例えば、プランク、ウォールシット、グルートブリッジなどです。そのポジションを維持するために筋肉が活性化し、働いていると考えてください」
多くの場合、「良い」ワークアウトといえば、ジムや自宅のリビングルームで跳びはねるようなワークアウトを連想するが、これはその現状に挑戦するものだ。
アイソメトリック・トレーニングに関する最新の研究で証明されたように、アイソメトリック・トレーニングはHIIT、ウェイト・トレーニング、有酸素運動よりも血圧を下げる効果がある。カンタベリー・クライスト・チャーチ大学とレスター大学の研究者は、15,000人以上の参加者を含む研究を分析した。
この研究の筆頭筆者の一人であるJamie Edwardsによれば、「複雑な分野ではありますが、アイソメトリックは静的な筋収縮を保持するというユニークな性質により、心臓血管の健康に非常に効果的であると考えられます。これにより血管が圧縮され、アイソメトリックホールドを解除すると、それまで圧縮されていた血管により大きな血流がもたらされるのです」ということだ。
アイソメトリック・エクササイズの3つの利点
アイソメトリック・エクササイズがどんなものかはおわかりいただけたと思う。体や関節を動かさないことによる血圧の低下だけでは物足りないという人は、アイソメトリックエクササイズを、現在行っている自分のワークアウトプランに加えるほどではない、と思うかもしれない。しかし、新たに自分のワークアウトプランに加えることで、次のような利点がある。
1. 体力がつく
「アイソメトリック・エクササイズは、筋力と持久力をつけ、筋肉全体のパフォーマンスを向上させ、ケガのリスクを軽減することが証明されています」とChapmanは言う。
研究によると、アイソメトリック・トレーニングを3カ月ほど続けると、筋肉が23%、筋力が91%増加した。強くなるための効果的な方法であることに異論はないだろう。
2. 衝撃が少ない
アイソメトリック・トレーニングは、筋肉や関節が負荷を受けながら動いているわけではないので、低負荷エクササイズの一種といえる。「そのため、産後に筋力をつけたいとき、ケガから回復したとき、運動機能が低下しているとき、人工関節置換術を受けたときなどには、素晴らしいツールになります」
3. 時間がかからない
最新の研究では、週に数回、2分間のトレーニングを4セット行うだけで、血圧を下げる効果があることがわかった。60分のエクササイズクラスと比べれば、かなりお得だ。
アイソメトリック・エクササイズのやり方
アイソメトリック・エクササイズは静止することが重要かもしれないが、だからといって簡単ではない。筋肉を収縮させ、重力に逆らうことに集中しなければならない。
Chapmanによれば、私たちのほとんどは、エクササイズのために静止時間を長く積み重ねなければならない。「最も簡単な方法は、緊張の最も高いところで一時停止することです。例えば、スクワットの一番下で3〜5秒間一時停止し、ウォールシットを何分間もキープできるようになるまで時間をかけて積み重ねるのです。このテクニックは、心と体のつながりを築くのに役立ち、筋肉をより効率的に使うことができるようになります」
アイソメトリック・エクササイズを通常のワークアウトとは別に行いたい場合は、筋肉が充分に温まり効果を得やすくするために、よりダイナミックなワークアウトの最後に行うのがベストだ。「ワークアウトの最後にプランクを20~60秒、あるいは正しいフォームを維持できる限りキープするのがよいでしょう」
「アイソメトリック・エクササイズをキープする時間の長さは、能力や求める結果によって異なります。フォームを崩さない範囲で、できる限り長くキープすることをお勧めします」とChapmanは説明する。
覚えておいてほしいのは、上達は継続的に少しずつ負荷を高めていくことから生まれるということだ。
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