ベトナム、“古都と世界遺産の街”を巡る

世界遺産を巡るその前にビーチリゾート「ダナン」を満喫

到着したダナンは、古代「チャンパ王国」の中心地だったという歴史を持つ。ハノイとホーチミンの間、ちょうどベトナムの中心に位置している。その便利さから、国内はもちろん、アジア各国からも注目の街だ。海沿いにはリゾートホテルが立ち並び、街の中心部では、「ピンクの教会」の愛称で知られるフランス植民地時代に建てられたゴシック建築の「ダナン大聖堂」、11～13世紀の王朝である李朝時代のデザインからインスピレーションを得た火を噴くドラゴンブリッジなど歴史や文化を感じる風景も見つかる。

昼間は日差しが強いので、そぞろ歩きは夕方から夜にかけてがおすすめだ。街も夕方から活気に溢れる。地元のB級グルメや伝統的なデザインの雑貨を売る露店が立ち並ぶソンチャナイトマーケットを通り抜け、すぐそばにあるライトアップされた川岸を歩けば、アジアの活気を存分に体感できるはずだ。

自然保護区のラグジュアリーリゾート

ダナンでとびきりラグジュアリーなリゾートライフを満喫するなら、とっておきの場所がある。街中の喧噪から抜け出し、20分ほど山道を登った所にあるインターコンチネンタル ダナン サン ペニンシュラ リゾートだ。国内唯一の熱帯雨林「ソンチャ半島自然保護区」の中心にあるため、手つかずの原生林に囲まれている。徒歩圏内に樹齢800年のバニヤンツリーも生息。絶滅危惧種である猿「アカアシドゥクラングール」が敷地内で暮らす、自然豊かな楽園だ。（宿泊者は有料オプションでネイチャーツアーにも参加可能）そんな素晴らしい環境を邪魔しないよう、リゾートは自然との調和が意識されている。建設は世界的建築家ビル・ベンズリーによるもの。木々の撤去や伐採を避け、伝統的なベトナムデザインが採用されている。

建物は、Heaven、Sky、Earth、Seaと名付けられた4階層から成り、緑に覆われた斜面に沿って設置された「ナム・トラム」というリゾート専用ケーブルカーで結ばれている。84のゲストルーム、88のスイートに加え、広々としたヴィラが17棟あり、全客室が海、もしくはラグーンビューで、ゆったりとした屋外リビングスペースも用意されている。最大面積500㎡を誇るのは、4つの寝室と3つのプールを備えたヴィラ。大人なら最大12人が宿泊可能で、複数家族で訪れてもしっかりプライバシーを保てる造りだ。

敷地内には、ピエール・ガニェール監修の極上フレンチがいただけるレストラン「ラ・メゾン1888」、クラブメンバー専用のラウンジ、ビーチからアクセスできるカジュアルレストラン「ベアフット」、ベトナム最長の50ｍにわたって延びるバー「ザ・ロング バー」などがあり、長期滞在でも飽きることはないラインアップが嬉しい。なかでもアイコニックな特等席を持つのが、高台にあるオールデイダイニング「シトロン」だ。丘の中腹から100ｍ以上の位置に浮いているテーブル「ノンラー」は、伝統的な円錐形（えんすいけい）の帽子をモチーフにしていて大人気だ。ホテル予約時にブッキングしておきたい。

また、ホスピタリティの高さに驚くのが、チェックイン前とチェックアウト後のサービスだ。空港にはゲスト専用ラウンジがあり、フライト前後もホテルさながらの居心地が約束されている。ホテルでも、到着直後はもちろん、出発直前までビーチ、プール、シャワー、レストランなどの利用が可能なため、ラグジュアリーな体験が旅の最後まで続くというわけだ。

ビーチだけではない、「ダナン」の魅力

アクティブにダナンを楽しみたいなら、ベトナム人にも人気の観光地バナヒルズに出かけてみるのはいかがだろう。中心部から車で30分ほど走った場所にある、植民地時代にフランス人たちが避暑地として過ごした山だ。麓から標高差1,368mの山頂まで全長5,801mのケーブルカーで、わずか20分という短時間で一気に登っていく（ケーブルカー料金を含むバナヒルズ入場料：75万VND）。山頂では、清涼な空気と絶景に迎えられ、何とも清々しい気分に浸ることができる。頂上には、欧州の街並みを再現したテーマパークがあるが、最大の見所は、中腹にあるゴールデンブリッジだ。

山の神の手をイメージしたという巨大な二つの手に支えられた天空の橋は、全長150mにも及ぶ。2018年6月に開設されるや、世界から注目を集め、米「TIME」誌は「世界のベストデスティネーション　2018」のトップ10に選出。英「ガーディアン」紙は、「世界で最も印象的な歩行者専用橋」と賞賛した。絶景の中に出現したシュールレアリスム的建造物は、一見の価値ありだ。

【ダナンで口福】

ベトナムに行ったらやはり食べたい本場のフォー。ハノイ名物だが、ダナンでもいただける。市場や街中ではもちろん、ホテルの朝食メニューにも。

ダナン名物シーフード。新鮮な魚介類が、本来の味を存分に活かしつつ爽やかな辛味を利かせて供される。