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浦浜アリサ、サステナブルな素材と未来のアパレル産業を紡ぐ「カポックノット」に夢中

暖かさを得意とする「KAPOK KNOT」のサマーシーズンの取り組み

浦浜:「ずっと気になっていたんですが……RAYARD MIYASHITA PARKに常設店も構えている『KAPOK KNOT』って、夏はどういう稼働をしているんですか? まさか夏季休業というスタイルではないと思うので(笑)」

深井:「それ本当によく聞かれます(笑)。基本的には、機能的でデザイン性が高く、そしてサステナブルという3つの軸に添うプロダクト作りをしています。例えば今着ているものだと、パンツとトップスはリサイクルペットボトル由来でできた、軽くてストレッチ性の高い生地です。他にも、オールシーズン使えるブランケットやピローカバーなどホームアイテムも今年からローンチしたり、染料に竹炭やタマネギ の皮を使った生地を取り入れたりと、カポック製品以外の商品も展開していくブランドにと思っています。そして、この7月からはセレクトもスタートする予定です。サステナブルブランドって、KAPOK KNOTとは逆に『夏は強いけど冬に弱い』という方が多いみたいで。ならば、夏はうちでPOP UPをやってもらい、冬はそちらでセレクト商品に入れてください、というようにパートナーシップを組んでいく新しい動きもしていて、これも面白くなっていきそうだなとワクワクしています」

浦浜アリサさん

技術的にはトップランナーでいたいけれど、決して独占企業になりたいわけではなく、垣根を越えて共にサステナブルブランド界隈(かいわい)を盛り上げていきたいという深井さんの思いが強く伝わってくる。今はアパレルに注力していると言いつつも、カポックが持つ可能性と需要拡大を様々な形で考え始めている深井さんが視野を広げ始めた理由とは?

深井:「OEMやBtoBも展開しているので、この約3年半で累計5万着はカポック製品を世の中に届けることができました。ですが、2030年までのSDGs達成には今のままだとスローペースなんです。人口の3.5%が動くと社会が変わっていくと言われていますが、例えば1億人とした場合、あと6年で350万人に届けなくてはいけない。羽毛が悪だとはもちろん思っていませんが、レザーにマッシュルーム由来のものが誕生したのと同じように、ダウンの代替品にも植物性100%の素材があることを広く認知してもらう必要性を感じています。様々な場面で、選択肢のひとつとしてカポックという言葉をスタンダードにしていきたいと思っているので、アパレル以外でも展開しスピードアップを図るつもりです」

時代やニーズに合わせて着実に進化を続けているKAPOK KNOT。これからさらにどんな新しいものを見せてくれるんだろう……と、まるでサクセスストーリーものの連ドラを見ているようで、ブランドの成長から目が離せません。

最後になりますが、今年の2月から半年に渡ってお届けしてきましたこの連載も今回で最終回となります。直接足を運び、自分の目で見て耳で聞いて、そして自分の言葉で綴るというのはとても楽しく、タイトル通り好奇心の満たされる場でした。短い間でしたが、ご登場いただいた皆様、そして連載を読んでいただいた皆様、本当にありがとうございました。またどこかでお目にかかれますように。

photos: Ryusei Imai, interview & text: Alisa Urahama, edit: Miyuki Kikuchi

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お問い合わせ先

KAPOK NOT
HP: https://kapok-knot.com/

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Profile

浦浜アリサ

俳優・モデル。アメリカ人の父と、日本人の母の間に生まれ、兵庫県で育つ。 4歳からモデルとして活動をはじめ、15歳の時に「神戸コレクション2005 AUTUMN/WINTER」にてショーデビュー。 以降、国内外の様々な雑誌やブランドのショーに出演。2007年、MTV JAPANのVJとして司会業をスタートさせたのを機に、J-WAVEをはじめラジオでのDJ、イベントのMCも務めている。 現在は俳優としても、舞台や映画、ドラマに出演。Netflixオリジナルシリーズ『今際の国のアリス:シーズン2』が全世界配信中。


Instagram:@alisa_urahama

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