先日、イギリスのワイナリー「Hundred Hills」(ハンドレッド・ヒルズ)を訪ねる機会に恵まれました。ロンドンの西に車を1時間程走らせ、ヘンリーオンテムズというとてもかわいらしい街を抜けると17ヘクタールの畑が広がります。

昨今の気候変動の影響で、冷涼地で栽培されるブドウを原料とするイギリスのスパークリングワインはさらに注目を集めるようになったと感じています。昔、ブドウは開花から約100日で収穫を迎えると言われたものでした。
現在は、ブドウの糖度が上がりやすくなっており、100日を待たずとも収穫されることが多くなりました。その中で、Hundred Hillsの収穫は10月以降。6月の開花から100日を大幅に超え、ブドウはゆっくり熟し収穫されます。

オーナー醸造家ご夫妻に案内していただきながら、4種類のワインを試飲しました。
スパークリングワインには、出来上がったワインに炭酸ガスを注入する簡素な方法から、最も高度な技術が必要とされる瓶内二次発酵によって醸造されるものまで、様々な製造方法がありますが、Hundred Hillsで生産されるワインは、すべて瓶内二次発酵で造られるスパークリングワインです。

フランスのシャンパーニュ地方で生産される、いわゆるシャンパンはすべてこの瓶内二次発酵によって造られますが、同じ製造方法ながら、イギリスのスパークリングワイン自体の面白さは、透明感にあるととらえています。
ワインの表ラベルには、収穫年が明記されていることが多いものですが、シャンパーニュ(シャンパン)の多くは、いくつかの収穫年のワインをブレンドしています。収穫年だけではなく、一般的に原料となるブドウも、単一畑というよりも、いくつかの畑のブドウをブレンドしたものも多いと感じています。
もちろん、中には単一年、単一畑のシャンパーニュも存在しますが、シャンパーニュのブレンドの妙には、歴史に裏付けされた奥深さがあり、その複雑さが、シャンパーニュをより一層知的な飲み物にしているようにすら感じます。