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【2022-23年秋冬ミラノコレクション】グッチ、ジル サンダー、プラダに見る最新トレンド

世界中のブランドを取材し続けているファッションディレクターの萩原輝美による最新コレクションレポート。2022年秋冬の第一弾はミラノ・ファッションウィークから、トレンドをリードする3ブランドをクローズアップ!

2022-23年秋冬ミラノプレタポルテコレクションが2月23日から28日まで6日間の日程で開催されました。今シーズンはほとんどのブランドが有観客のリアルショーで発表し、デザイナーたちの一歩踏み出した姿勢が伺われます。

ウィメンズだけではなくメンズを一緒に発表するブランドが増え、ジェンダーレス、マスキュリン&フェミニンの自由なバランスミックスがコレクションの特徴になっています。

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 「グッチ」は”エクスクイジット・グッチ(絶妙なグッチ)”をテーマに、久しぶりにミラノでランウェイを披露しました。アレッサンドロ・ミッケーレはいち早くウィメンズ&メンズコレクションの同時発表をスタートさせましたが、今シーズンはメンズモデルが多く登場。テーラーリングをベースに、男性がフェミニンなレースのブラウスを着たり、服自体に両性具有的な魅力を演出しました。今シーズン話題の「アディダス」とのコラボでは、三つ葉マークとGUCCIのロゴを重ね、スポーティを超えたリアルラグジュアリーなアイテムとして人気が出そうです。

 「プラダ」のコレクションは、シンプルなタンクトップにサテンやルーレックス(透けるラメ)を切り替えたIラインスカートのルックからスタートしました。ルーレックスにはビーズ刺しゅうが施され、実用的なアイテムに非日常のエレガンスを加えます。Iラインドレスには肩幅の広いテーラードジャケットやMA1を重ねていますが、揺れるフェイクファーや羽飾り、フラワーモチーフのアップリケなどの装飾で、ぐっとモードなアイテムに仕上げています。

 ルーシー&ルーク・メイヤーがデザインする「ジル サンダー」は、袖や腰にボリュームをもたせ女性らしい曲線と構築的なシルエットで軽快なコレクションを発表しました。暖かみのあるウール素材のテーラードジャケットはウエストを絞りヒップを曲線で誇張し、ミニスカートと合わせています。モデルはソックスにビブラムソールのアンクルブーツを履きランウェイを闊歩。イメージがぐっと若返りました。ニットのフレアミニドレスやウエストを黒いサテンリボンで結ぶコートドレスなど、素材にこだわっていた今までの服作りから、カッティングとフォルムを強調したコレクションで広がりを感じます。

Profile

萩原輝美

ファッション・ディレクター。毎シーズン、ミラノ、パリなど各都市のコレクションを取材。ファッション雑誌に記事、コラムなどを寄稿。専門学校、各種セミナー講師をはじめコンテスト審査委員を務める。新しいエレガンスをリアルに落とし込むファッション提案に定評がある。


Instagram: @hagiwaraterumi

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