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ラッフルドレスで世界中のセレブリティを虜にする「トモ・コイズミ」の小泉智貴にスペシャルインタビュー!

TOMO KOIZUMIデザイナー/小泉智貴

2019年にニューヨークで発表した初めてのコレクションを皮切りに、 注目を集め続けている「TOMO KOIZUMI(トモコイズミ)」。

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東京オリンピック2020の開会式で国歌斉唱をしたミュージシャンのMISIAがレインボーカラーのドレスを着用したことも記憶に新しい。また、2021年度「第39回毎日ファッション大賞」で大賞を受賞するなど、日本を代表する新たな才能として高く評価されている。

先日開催された、世界遺産二条城でのコレクションでは、ジュエリーブランド「フレッド」とのコラボレーションも発表し話題に。ランウェイでは、京都の伝統文化と融合した幻想的なラッフルドレスの数々が登場し、また、フランスのジュエリーブランド「フレッド」とのコラボレーションによる人形型のペンダントブローチ「フレディズ」もお披露目した。「フレッド」にとって日本人デザイナーとのコラボレーションは、初の試みとなる。そんな、注目のデザイナー小泉智貴のスペシャルインタビューをお届け。

2019年のニューヨークコレクションでのデビューは、大変話題となりました。このショーはどんな経験になりましたか?

ニューヨークでの初めてのショーは、インスタグラムを通じてロンドンのスタイリスト、ケイティ・グランドからオファーを受けたことがきっかけで実現しました。今までファッションショーは未経験だったので、世界への初めの自己紹介のつもりで作品を発表しました。それまで7年ほど衣装デザイナーとして日本をベースに活動していたので、ニューヨークコレクションはファッションデザイナーとして知られるようになる、まさに人生を変える経験でした。

アイコニックなラッフルのドレスは、見るだけでハッピーな気持ちになります!ラッフルを贅沢に使用した今までにない独創的なドレスのイメージは、いつ頃からありましたか?また、着想源は何ですか?

ファッションの世界を志した14歳の時から、常にオートクチュールの豪華なドレスの世界に夢中でした。ラッフルがついたドレスが特に好きで、いつかは自分もあんなドレスを作れるようになりたいと、常に夢に描いていました。キャリアを積んで技術がついてきた6年ほど前、デッドストック生地を扱う店でいつも使う生地を見つけ、たくさんの色を買い占め、その生地から技術を開発して、ラッフルドレスができました。過去の偉大なデザイナー達の歴史から学んだ上で、できたデザインです。

デザイナーを始めたきっかけと、影響を受けたデザイナーやクリエイターを教えてください

ジョン・ガリアーノが1番のきっかけになった人物です。14歳の時に彼のコレクションを雑誌で見て、ファッションの世界を夢見るようになりました。また、アレキサンダー・マックイーンやクリストファー・ケインからも大きな影響を受けています。

コレクションを製作する上で、イメージしている女性像はありますか?どんな女性たちに身に着けてほしいですか?

実際に着ることができなくても、見てワクワクできるエンターテイメント性の高いドレス作りを常に心がけています。また、女性に限らず、かわいくて楽しい雰囲気のファッションが好きな人に着てもらえたら嬉しいです。

7月に世界遺産である二条城で行われた「TOMO KOIZUMI COLLECTION 2020 IN KYOTO」も大きな話題を集めました。世界遺産である二条城を発表の場に選んだのは、どのような経緯があったのでしょう?

コロナの影響で海外に行くことができず、日本から世界へ発信する時にどうしたら最高のイメージを届けることができるか、などを考えた時に、二条城という歴史的であり、かつ、ビジュアルのインパクトもとても強い会場が思いつきました。私たちがもともと持っている伝統やカルチャーを新しい視点で再表現することに、常に興味があります。

伝統的な西陣織などを取り入れていましたが、今回のコレクションを通してどんなことを伝えたかったのでしょうか?

日本の伝統文化を私のデザインを通して、世界の人たちに再認識してもらえるきっかけになったらいいなと思いました。

伝統的な西陣織を取り入れたコレクション「TOMO KOIZUMI COLLECTION 2020 IN KYOTO」

「TOMO KOIZUMI COLLECTION 2020 IN KYOTO」では、フランスのジュエリーブランド「フレッド」とのコラボレーションが話題を集めました。人形型のペンダントブローチ「フレディズ」は、12 年ぶりとなる新作の発表で、日本人デザイナーとのコラボレーションはブランド発の試みとなりますが、オファーがあった時はどんな思いでしたか?

「トモ コイズミ」と「フレッド」にはたくさんの共通点があるので、とてもスムーズにデザインが決まりました。人形型のペンダントブローチ「フレディ」という楽しく美しいフォーマットに、「トモコイズミ」のドレスをジュエリーの素材で作って着せました。他にはない、楽しくかわいいデザインになるように心がけました。

共通点は、「フレッド」もカラフルなストーンを多く使用している点、またバックルとケーブルを好きに組み合わせたり、リングもリング台と石を自由にかえることができるなど、自由でジェンダーに縛られないジュエリーを提案している点です。また“喜び”“楽しさ““カラフル“といったワードは「フレッド」と「トモコイズミ」に共通するテーマであり、「トモコイズミ」のスピリットと共鳴すると考えています。

〈左〉“シュシュ”[K18イエローゴールド、パール、イエローサファイア、ホワイトダイヤモンド、ピンクサファイア、パープルサファイア]¥1,617,000〈中〉“フルフル”[K18イエローゴールド、パール、ピンクサファイア、ラッカー]¥1,485,000〈右〉“チュチュ”[K18イエローゴールド、パール、パープルサファイア、ルビー、グリーンサファイア、ブルーサファイア]¥1,738,000

東京オリンピック2020 の開会式で、ミュージシャンのMISIA さんが着用したレインボーカラーのドレスがとても印象的でした。「オリンピック」という世界中の人々が注目する舞台で、ドレスがお披露目されましたが、どんな思いを込めたのでしょうか?

世界中の人、また、ファッション業界とは関係のない人も多く見るので、一瞬で見て美しいと分かるもの、ピュアな美しさやクリエイティビティを世界に発信することを目標にデザインしました。光のプリズムの色を表現したドレスです。

今後、ラッフルドレスはどのように進化していきますか?使ってみたい素材、表現方法などは?

ラッフルのテクニックはこれからも使っていくと思います。その時その時で、表現したいことを最適に表現できる素材やテクニックを合わせていきたいです。

取り組んでいきたい活動や新しいニュースなど、ありますか?

今のペースをキープしながら、ファッション以外の分野とのコラボレーションもしていけたらと思っています。若手デザイナー支援のプロジェクトも少しずつ始動していきたいです。

interview&text: Miyuki Kikuchi

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Profile

2011年に自身のブランド「トモコイズミ」を立ち上げる。 オーガンジーを贅沢に使用し、彫刻的かつフェミニンな作品は瞬く間に注目され、日本のみならず世界中の著名人に支持される。2019年2月にニューヨークで行われた最初のショーは、ファッション界のビッグネームから大きな称賛を得て大成功を収める。2020年にはLVMHヤングファッションデザイナープライズを受賞している。

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