×

スイス・ジュネーブで開催された世界最大の時計見本市 今年の潮流や最新モデルを紹介

環境問題に配慮するメゾンも 

その一方で、ユニークな時計をただ企画して、発表するだけの時代は終わりつつある。アパレルや他の工業製品などと同様、時計作りにも社会的責任が問われるようになっているからだ。そうした動きを先取りして、「サスティナビリティー」や「エシカル」の要素を新作に反映させるメゾンも目立った。ショパールは、25年までにスティール製ウォッチの90%以上にリサイクルスティールを採用すると昨年発表。今回発表した「ミッレ ミリア クラシック クロノグラフJX7」でもケースにリサイクルスティールと、生産や流通の過程を明確にしたエシカルゴールドを用いた限定モデルを披露した。 

ショパール「ミッレ ミリア クラシック クロノグラフ JX7」
「ミッレ ミリア クラシック クロノグラフ JX7」ショパール(ショパール ジャパン プレス)/03-5524-8922

ゼニスはダイバーモデルの新作「デファイ エクストリーム ダイバー」に付属する交換可能な3本のストラップのうち、ウェットスーツの上から着用できるエクストラロングのストラップに漁網をアップサイクルして作った素材を使っている。 

ゼニス「デファイ エクストリーム ダイバー」
「デファイ エクストリーム ダイバー」ゼニス(LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン ゼニス)/03-3575-5861

オリスもユニークなアップサイクルの新作「アクイスデイト アップサイクル」を発表した。こちらは文字盤に再生PETプラスティックを使用。その色柄は一つひとつ異なり、身に着ける側の所有欲も満たしてくれる、文字通りのアップサイクルな一本だ。 

オリス ジャパン「アクイスデイト アップサイクル」オリス
「アクイスデイト アップサイクル」オリス(オリス ジャパン)/03-6260-6876

スイス時計協会の統計によると、23年のスイス時計の輸出額は267億スイスフラン(約4兆5856億円)と前年より.76%増え、過去最高を更新した。もっとも、昨年後半以降、中国の景気後退などが影響して、その伸び率は失速し、今年1~2月期は前年同期比でマイナスに転じた。 

一方、円安の進む日本では、急増する訪日客が高級ブランド品を「割安だから」と買い募るケースが目立ち、高級時計の市況もその影響を受けているという。 

また、一部製品に人気が集中し、一般顧客が希望する時計を手に入れづらい状況も続いており、セカンダリーのマーケットが注目を集めている。 

そんな中で、多くのメゾンが時計作りの本質を見つめ直し始めている。要はハイテク時代に時計を作り、所有することの悦びや本質的な意味をどのようにアピールしていくか。

好況の続いた高級時計の市場が転換点を迎えつつあるように感じた。

「ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ」のメイン会場の風景
WWGは一般にも公開され、家族連れも目立った

text: Naohiko Takahashi

・6/28発行 YOMIURI STYLE MAGAZINE 時計特集号のデジタルブックはこちら
スイス・ジュネーブで世界最大の時計見本市が開催 注目8ブランドの厳選アイテムを一挙紹介
時計の歴史は日時計からー。星辰と共に遊ぶ、ユニークなデザイン

リンクを
コピーしました