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「サカイ」が考える、女性のための鎧。2024年秋冬コレクション

「サカイ」は、ファッションフォトグラファーのビル・カニンガムの言葉を引用し、ドレスを再考。日常的なアウタースタイルを掛け合わせる(ハイブリッド)ことで生み出された多彩なドレスにデザイナー阿部千登勢は何を込めたのか。2024年秋冬パリファッションウィークを現地よりレポート!

ニューヨークタイムズのファッションフォトグラファーで87歳でこの世を去るまで、ストリートスナップを撮り続けたビル・カニンガム。デザイナーの阿部千登勢はコレクションノートに、彼の「“Fashion is the armor to survive the reality of everyday life.(ファッションは日常の現実を生き抜くための鎧である)”」という言葉を引用し、混沌とした世の中で服が与える安心感に思いを巡らせ、ドレスへと落とし込んだ。

ドレスへと変わる日常着

コレクションでは、衣服としては一般的に、風除けや防寒など守る役割を持つアウターがドレスへと変容する。袖のボリュームやシルエットを拡張したワークジャケットや、ウール素材の袖をミックスしたデニム、トレンチコートと2ピースのジャケットをドッキングしたケープなど、アウターとインナーとの境界線を曖昧にすることで、軽やかでエレガント、そして独自のシルエットを生み出している。

ロングブーツの持つ意味

フリンジをランダムにあしらったベアトップのアシンメトリーニットや、腰から広がるボックスプリーツが印象的なペプラムシルエットのパイロットシャツなど、多彩なミニ丈のドレス中心に据えたコレクションの足元は、ロングブーツ一択だ。一見パンツのようにも、レッグカバーのようにも、そして今回のインスピレーションとなった鎧のようにも映る、太もも近くまで伸びるロングブーツが、肌を隠しながらもドレスの存在感を際立たせる。“かわいさ”だけではなく、したたかに身を守り強く歩んでいく現代の女性たちに向けたメッセージが潜んでいるようだった。

text: Mio Koumura

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