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Culture

シャネルは「20世紀で最も影響力の大きい女性デザイナー」と言われる Coco Chanel, couturière française. Paris, 1936. © Lipnitzki / Roger-Viollet / amanaimages

『ガブリエル・シャネル展 Manifeste de mode』創業者シャネルの全貌に迫る。20世紀モードの変革者の回顧展

ガブリエル・シャネル(1883-1971)の回顧展が開かれる。昨年、パリで開かれた企画を再構成したもので、日本ではかつてない規模の展示となる。「モード」という枠を超え、「20世紀」という時代をデザインした彼女の独創に触れられる貴重な機会となりそうだ。

2021年は香水の「シャネル  N°5」誕生100年、そしてシャネルの没後50年に当たった。その節目の年にガリエラ宮パリ市立モード美術館で開かれたシャネルの回顧展が、オーストラリア・メルボルンを経て日本に巡回してくる。

ガブリエル・シャネル 香水「シャネル N°5」 1921 年 ガラス、木綿糸、封蝋、紙 パリ、パトリモアンヌ・シャネル ©Julien T. Hamon
ガブリエル・シャネル ドレス(部分) 1936-37 年秋冬 蝋引きしたレーヨンのクロッケ パリ、パトリモアンヌ・シャネル©Julien T. Hamon

シャネルの業績に焦点を当てた企画展の開催は日本で32年ぶりとなるが、これだけ本格的な展示は初めてとなるのではないか。フランス側の監修者は否定するかも知れないが、「モードの本籍」を誇るだけに国威も意識しているだろう。実際の展示はまだ観ていないが、彼女のクリエイションを含め、社会に与えた影響を紹介する決定版となるはずだ。今から胸が高鳴る。

シャネルのクリエイション、ロべール・ゴッサンス製作 ブレスレット 1960 年代、 シルバー、ゴールド、メタル、パート・ド・ヴェール パリ、パトリモアンヌ・シャネル ©Julien T. Hamon
シャネルのクリエイション、マサロ製作 バイカラー・シューズの原型 1960-1962 年頃 子山羊革、絹サテン パリ、パトリモアンヌ・シャネル ©Julien T. Hamon

20世紀のライフスタイルを変えたクリエーション

もっとも、シャネルの創作を日本で目にする機会が少なかったわけではない。頻繁に開かれるようになったファッション展で彼女のスーツやアクセサリーは「レギュラー」のように展示されたし、シルエットのゆったりしたスポーティーなドレスなどが近代デザインを紹介する企画展で取り上げられることもあった。シャネルは「ファッション」に留まらず、「20世紀のライフスタイル」の変革者として、近年、一層注目される存在でもあった。

ガブリエル・シャネル テーラードのジャケット、スカート、ブラウスとベルト 1965 年春夏 ウールツイードと絹シェニール、手彩色のガラリット、絹ガーゼ パリ、ガリエラ宮 ©Julien T. Hamon
ガブリエル・シャネル ドレス 1966 年春夏 絹モスリン、グログラン パリ、パトリモアンヌ・シャネル ©Julien T. Hamon
ガブリエル・シャネル テーラードのジャケットとスカート(部分) 1971 年春夏 絹クレープ、ガラリット、メタル パリ、ガリエラ宮 マントゥ夫人より寄贈 ©Julien T. Hamon

モダニズムの美意識を高らかに宣言

では、シャネルは何を変えたのか? その答えを今展に探るのも面白いだろう。例えば1920年代に発表されたジャージーのドレスは軽く、コルセットに締め付けられていた女性の身体を解放した。「シャネル  N°5」は80種類以上の合成香料を使った初めての香り。サンセリフ体で品名を記したミニマルなパッケージに入れ、アール・ヌーヴォーの有機的な装飾を否定してモダニズムの美意識を高らかに宣言した。コスチュームジュエリーを多用したアクセサリーは、貴石を鏤めた、これ見よがしの侈奢に対するアンチテーゼでもあった。

ガブリエル・シャネル ケープ 1923 年 絹サテン、絹とウールのサテン・ステッチ パリ、パトリモアンヌ・シャネル ©Julien T. Hamon
ガブリエル・シャネル 「2.55」バッグ 1955-1971 年 羊革のキルティング、メタル、回転式の留め具 パリ、パトリモアンヌ・シャネル ©Julien T. Hamon

常に闘い、時代を切り開いてきた軌跡を総覧

戦前はポール・ポワレに敵愾心を燃やし、戦後は「ニュールック」を引き下げて登場したクリスチャン・ディオールにライバル心をむき出しにした。その意味でシャネルは常に闘ってきた。そうすることで新しい時代を切り開いてきたとも言える。今展はその軌跡を総覧できるまたとない機会。ファッションに夢中な人はもちろん、何らかの創作に関わっている人や女性の生き方に関心がある人にも、その力強いクリエイションを目撃してほしい。

展覧会情報
「ガブリエル・シャネル展 Manifeste de mode」
会場: 三菱一号館美術館(東京・丸の内)
会期: 6月18日(土)~9月25日(日)
https://mimt.jp/gc2022/(6月サイト公開)

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Profile

高橋直彦

『マリ・クレール』副編集長。ロココ・スタイルから始まる18世紀以降のヨーロッパのモード史を通覧していて、現在の美意識で「欲しい」と思うドレスが登場するのは1920年代に入ってから。まさにシャネルが登場した時期と重なる。彼女が装うことのルールをほとんど変えてしまった。その熱量を会場で感じてもらいたい。

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