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Netflixトップ3常連の『社内お見合い』。王道のラブコメに説得力を与える麗しき俳優陣

Netflixシリーズ『社内お見合い』独占配信中

2022年2月に配信スタートして以来、口コミで徐々に評判が広がり、今ではNetflixのTVドラマランキングトップ3圏内の常連となっている『社内お見合い』。超有名俳優が出ているわけでもなく、宣伝コピーだけ読むとありがちなラブコメのようなのに、どうしてここまでヒットしたのか不思議に思う向きもあるかもしれないが、観れば納得の魅力がギュッと詰まった秀逸なドラマである。

代理お見合いの相手は社長だった!

シン・ハリ(キム・セジョン)は大手食品会社の開発チームで働く研究員。ある日、親友の財閥令嬢チン・ヨンソ(ソル・イナ)から、父親に無理強いされた政略結婚目的のお見合いをぶち壊してほしいと頼まれる。派手なメイクとイケイケなファッションで身を包み、ヨンソになりすまして見合いの席に臨んだハリだったが、相手はなんと彼女が勤める会社の社長に就任したばかりのカン・テム(アン・ヒョソプ)だった。

大財閥の御曹司、ハーバード大卒でスポーツも万能、海外展開する食品会社の若社長、そしてイケメンとパーフェクトな男テム(アン・ヒョソプ)

イカれたキャラを演じきってその場を退散したハリは、望み通り相手に嫌われてやったわとヨンソに報告し、祝杯をあげる。しかしその頃、テムは見合いの結果を尋ねる祖父にヨンソ(実はハリ)と結婚すると宣言していた——。

原作は同名のウェブ小説&ウェブトゥーンで、日本語版コミック『お見合い相手はうちのボス』も配信されている。ドラマもまさに漫画のような展開で、さすがにそれはムリでしょうとツッコミたくなる場面が散りばめられている。また、「身代わりお見合いから始まるラブストーリー」「身分違いの恋」「幼少期に負ったトラウマ」といった韓流ドラマあるあるな設定なので、そういうのはもうお腹いっぱいと食わず嫌いしている人も少なくないかもしれない。

そんな杞憂を吹き飛ばして余りないのが、ハリに扮するキム・セジョンの存在だ。可愛くハツラツとした彼女の魅力が、ベタなシーンを名場面に昇華させていて、観ているだけでほっこりした気持ちになれる。

キム・セジョンは2016年にオーディション番組で選抜され、ガールズグループ「I.O.I」のメンバーとしてデビュー。その後「gugudan」のメインボーカルを務め、解散後は歌手、女優、バラエティータレントとして活躍している。『社内お見合い』のヒットでコメディエンヌとしての才能が周知され、今後の活躍が期待される。

“アン・ヒョソプを愛でるためのドラマ”

今後が期待できるのは、テム役のアン・ヒョソプも同様だ。家柄も学歴もビジネスセンスもルックスも完璧で、誰もが憧れる存在であることを自分でも十分わかっていて、イヤミなほど自信に満ち溢れていたのに、ハリと出会ったことで少しずつキャラが崩壊していくテムを演じるヒョソプは、カッコよさといじらしさが相まって、イケメン王子好きのハートを鷲掴みにすること必至である。

そんなアン・ヒョソプ本人もキラキラしたキャリアの持ち主で、7歳から17歳までカナダで育ったバイリンガルなうえにバイオリンやピアノなどの演奏にも長け、スカウトされて芸能界入り。2015年にボーイズグループのメンバーとしてデビューした後、俳優業に軸足を置くようになり、『30だけど17です』(18年)、『トップマネジメント』(18年)、『アビス』(19年)などの出演で、次世代イケメン俳優と目されるようになっていた。

『社内お見合い』が “アン・ヒョソプを愛でるためのドラマ” と称されるほど名を上げた彼は、台湾の人気ドラマ『時をかける愛』のリメイク版としてNetflixが制作する『君の時間の中へ』の出演が決定している。

ウソをつきとおすために、ハリ(キム・セジョン、写真左)がでっち上げた“ふたりの出会いのシーン”。しかし、彼女の話を聞いたテムはなぜか突然怒り出す。それには深い事情が隠されていた

そのほか、テムの秘書チャ・ソンフン役のキム・ミンギュ、ハリの弟シン・ハミン役のチェ・ビョンチャンなど今後が期待される男優たちも出演。イケメンの供給量は十分だし、難しいこと一切なしで笑いと胸キュンを堪能させてくれるし、多くの視聴者に愛されるのも頷けるドラマである。

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香月友里

かづき ゆり。フリーライター。出版社の編集者を経てライターに。同居する5匹の犬猫たちにお仕えしながら、映画とドラマと演劇とJ-POPにどっぷり浸る日々を送る

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