年末年始のおうち時間に！Netflixオススメ韓国ドラマ3選③『補佐官』

『イカゲーム』だけじゃない、イ・ジョンジェの魅力

全世界で公開され、わずか４週間で1億4200万世帯での視聴を記録。Netflix史上最大のヒット作となったサバイバルドラマ『イカゲーム』（2021年）。主役のソン・ギフンを演じたイ・ジョンジェは22年１月に発表されるゴールデングローブ賞のテレビドラマ部門男優賞にノミネートされた。

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本作でギャンブルに溺れる人生の落伍者になりきった彼は、この２年前、強烈な上昇志向の持ち主で権力の頂点を目指す人物を演じていた。それが、政治家の参謀として謀略渦巻く世界に生きる男を描いたドラマ『補佐官』である。大ヒットドラマ『海街チャチャチャ』（20年）でヒロインを演じたシン・ミナが共演しているのも注目点だ。

韓国与党の大韓党では、ソン・ヒソプ議員とチョ・ガビョン議員が熾烈な主導権争いを繰り広げていた。間近に迫った党代表の選挙も、ふたりの一騎討ちとなる。事前調査ではチョ議員が優勢と報じられているが、気がかりなのはソン議員の主席補佐官、チャン・テジュン（イ・ジョンジェ）の出方だ。

かつて、党の院内総務の座をめぐる争いでチョ議員がソン議員に敗北したのはテジュンの選挙工作のせいだった。 “毒蛇”の異名を持ち、辣腕を振るって政敵を仕留めるテジュンを排除するため、チョ議員は検察に手を回して収賄罪で逮捕されるように仕組む。しかし、テジュンは検察に違法捜査の証拠を突きつけて封殺。さらに、チョ派の国会議員でテジュンの恋人カン・ソニョン（シン・ミナ）や、同じ議員室で秘書として働くユン・ヘウォン（イ・エリヤ）、インターンのハン・ドギョン（キム・ドンジュン）たちの協力を得てチョ議員を追い詰め、党代表選挙の出馬を辞退させた。

一時はテジュンが窮地に追い込まれたように見えたが、実は全て相手を陥れるために彼が仕組んだ罠だったのである。この功績が認められ、ついに党の有力者でないと足を踏み入れることすらできない「サミル会」への入室を許されたテジュンは、目指す国会議員に一歩近づいたことを実感したのだった。

カネと力のために汚い抗争が繰り広げられる政界で、テジュンは緻密な計算と大胆な行動で目の前の敵を次々と倒し、頂点を目指して邁進する。彼はどうしてそんなに権力を手に入れたいのか？　その理由は、物語が進むにつれて徐々に明かされていく。さらに、ソニョンやヘウォン、ドギョンたちにも、それぞれこの仕事を選んだ背景があった。そうして志を同じくする面々が一丸となって対抗勢力に挑んでいく。

しかし、大きな目的を果たすために、テジュンは「一度だけ」と誓って自らの手を汚す。それは、同志を裏切る行為でもあった。シーズン２では国会議員となったテジュンの危険な闘いが描かれる。彼は権力に目が眩んで暴走しているのか。それとも——。

職種は違えど、強大な権力が支配する世界を舞台にしたエグくてアツい抗争劇をドラマティックに描いていることで、韓国版『半沢直樹』ともいわれている。シーズン１、２で全20話。劇中の出来事すべてがあまりにもリアルで、回を追うごとに政治不信に陥りそうになるけれど、やがてスカッとさせてくれる痛快な作品である。

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