【冨永愛】俳優もモデルも正解がないから、好奇心をかき立てられている
演じることに必死で、“俳優”を楽しめる余裕はまだないと話す冨永だが、スクリーンに映る彼女のオーラは他の出演者も絶賛
2019年にTBS日曜劇場で放送され、多くのファンを生み出した木村拓哉主演のドラマ「グランメゾン東京」がこの冬、待望の映画化。『グランメゾン・パリ』と題して、ついに12月30日に公開される。ドラマに続き、映画でもホール責任者 京野陸太郎役の沢村一樹、シェフ 相沢瓶人役の及川光博、フードインフルエンサー リンダ・真知子・リシャール役の冨永愛といったキャストが再集結するほか、新キャストとしてパティシエ リック・ユアン役のオク・テギョン、コミ(見習い) 小暮佑役の正門良規(Aぇ! group)も出演。パワーアップしたメンバーにインタビュー!
「グランメゾン東京」の運命を大きく左右した人物といえば、『マリ・クレール ダイニング』の編集長であり、尾花夏樹(木村拓哉)の元恋人でもあるリンダ・真知子・リシャール。圧倒的な存在感を持つ冨永愛が演じることによって、役にも説得力が生まれた。しかし、その裏には人に感じさせない努力がある。
「今回のリンダはフードインフルエンサーになり、前回の撮影から随分と時間が経っていたので、まずフレンチのレストランに行って食べ方やマナーなどをもう一度学ぶところから始めました。あとは、フランス語の勉強。以前パリで暮らしていた私にとっては馴染みのある言語ではありますが、それでも発音から全部やり直して挑んでいます」
映画版でも唯一無二のオーラを放っているが、ファッションモデルとして経験を積んできたからこそ表現できた部分もあると話す。
「リンダは、ファッション業界のアナ・ウィンターみたいな人。だからこそ、佇まいから漏れ出てしまうような部分を大切にしたいと思ったので、逆に何も意識しない方がいいと考えました。そういうところに関しては、モデルの仕事が生かされたのかなと感じています」
リンダのファッションにおいても、細部にまで冨永のセンスが光っている。
「ドラマでは牡蠣(かき)の柄が入った服を着たことがありますが、今回も蟹のニットを着てみたりと、随所にリンダのユーモアを入れています。『そんなの着る?』みたいな服もありますが、それができるのはリンダしかいない。私自身も楽しんでいますし、エンターテインメントにも繋がっているように思いました。そんななかでも悩んだのは、冒頭のガラディナーで何を着るべきか。どれだけインパクトと迫力を出せるかという基準で選んだドレスなので、ぜひ注目していただきたいです」
ガラディナーのドレスは悩みに悩み、インパクトと迫力にフォーカスして選んだそう。ドレープがなびく美しいドレスにも注目だ
このドラマに出演したことがきっかけで、冨永は「本気で俳優をやってみたい」と決意。では、自身を惹きつけているものは一体何なのか。
「現場では精いっぱいやることに必死なので、正直に言うとまだ楽しめる余裕はありません。ただ、表現者の1人として俳優の仕事には面白さを感じています。俳優もモデルも正解がないので、その先にある“見えない何か”に好奇心をかき立てられているのかなと。あとは、『グランメゾン東京』で木村さんの仕事に対する向き合い方を目の当たりにしたことも、俳優に興味を持った理由の一つです」
現場で口にした料理については、「どれも本当においしくて素直な表情が出ている」と笑顔を見せるが、映画で料理監修を務めた小林圭シェフの生き方にも感銘を受けたという。
「フレンチの本場であるパリで戦うのは、本当に大変なこと。それがわかっているからこそ一緒にするのはおこがましいですが、異国の基準で戦いながらトップを目指していく感覚は自分とも似ていると感じました」
モデルとしてはもちろんのこと、俳優としての活躍も目覚ましい冨永の今後にはますます期待が膨らむ。
「モデルの仕事とのバランスはつねに考えていますが、俳優としてはいろんな役に挑戦してみたいです。あとは、“余白”のある生き方ができたらいいなと。余裕がないと他人も自分も傷つけてしまうことがあるので、生きていくうえで“ハンドルの遊び”みたいな部分は大事だなと思っています」
冨永愛/Ai Tominaga
17歳でNYコレクションでモデルデビューし、話題を集める。以降、世界でトップモデルとして活躍。モデルのほか俳優にも挑戦し2019年「グランメゾン東京」をはじめ、23年NHKドラマ10「大奥」では吉宗役として主演デビューを果たす。また、チャリティ・社会貢献活動や、日本の伝統文化を伝える活動「冨永愛の伝統to未来」がスタート。公益財団法人ジョイセフアンバサダーなども務める。最新著書に『冨永愛 新・幸福論 生きたいように生きる』がある。
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